研究課題/領域番号 |
20K21006
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分21:電気電子工学およびその関連分野
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
永松 謙太郎 徳島大学, ポストLEDフォトニクス研究所, 准教授 (40774378)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | 窒化物半導体 / 高温結晶成長 / 窒化アルミニウム / 深紫外LED |
研究開始時の研究の概要 |
AlNは物性から2000℃以上の温度が求められるが、一般的なMOVPE装置は1200℃までの仕様になっている。原因としては成長原料流路の部材として使われる高純度石英が1200℃から劣化が始まるためである。 ジェットエンジンは2000℃環境にて耐熱600℃のチタン合金を使用している。これは大気を圧縮しチタン合金に小さく空いた穴から空気が噴き出すことによって高温のガスと壁面が直接触れないようになっているシステムである。 本研究ではシミュレーションによる反応路内の温度の状態を算出しつつ、2019年度に導入する結晶成長装置にジェットエンジンの構造を取り込み1500℃以上の温度で安定的な結晶成長を実現する。
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研究成果の概要 |
熱流体シミュレーションを用いて高温での成長原料の反応を予想し、ジェットエンジンの機構を模倣した超高温結晶成長装置の開発を行い、深紫外LEDの下地層であるAlN高品質化について検討を行った。具体的には、熱流体シミュレーションにより気相反応という成長原料を輸送中に発生する反応が本手法で抑制できることがわかり、この条件での実際の結晶成長においても気相反応が抑制されていることが分かった。本手法により従来の結晶成長装置では実現することが難しい1500℃以上の成長温度でAlNの結晶成長を実現した。AlNの結晶成長における高温成長の優位性を確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、殺菌技術の発展が求められるアプリケーションにおいて、深紫外LEDの要素技術と言えるAlNの結晶性改善に効果が高い高温結晶成長を実現した。AlNの高品質化により、深紫外LEDの高輝度化に大きく貢献できる可能性があり、デバイスの応用分野拡大や半導体レーザなど新たなデバイスの創出に発展することが期待される。また、結晶成長装置の高温プロセス実現は、AlNだけにとどまらず高温成長が求められる材料のポテンシャルを引き出すことが可能になり、新たな材料開発の礎となることを期待している。
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