研究課題/領域番号 |
20K21008
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分21:電気電子工学およびその関連分野
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研究機関 | 北九州市立大学 |
研究代表者 |
永原 正章 北九州市立大学, 環境技術研究所, 教授 (90362582)
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研究分担者 |
佐藤 和也 佐賀大学, 理工学部, 教授 (30284607)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2020年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | ドローン / 最適制御 / スパースモデリング / 波状飛行 / スパース制御 / リアルタイム深層学習 / 非線形制御 / 分散協調制御 / マルチドローン / 深層学習 / 鳥類学 |
研究開始時の研究の概要 |
スズメやセキレイなど小型の鳥は,波状飛行と呼ばれる特徴的な飛行を行う.この飛行は,羽ばたき飛行と休止飛行を繰り返す飛行法であり,休止飛行の間は翼を完全に閉じ,慣性運動により移動を行う.小型の鳥がなぜこのような飛び方をするのかは,いまだ完全には解明されていない. 本研究の目的は,波状飛行メカニズムを動的スパースモデリングと呼ばれる最適制御の手法で解明することである.運動のスパース性,すなわち筋肉をなるべく使わないという性質が羽ばたき運動の本質であるという仮説を立て,羽ばたき運動のメカニズムを解明する.そして,このメカニズムをドローンの飛行制御に応用し,電力消費の少ない超効率的な飛行法を提案する.
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研究成果の概要 |
本研究では、鳥類の波状飛行の分析にスパース最適制御を適用することを提案した。具体的には、非線形制御対象に対するスパース最適制御の必要条件の導出と、その数値計算手法を開発した。これには、Robbins-Monroアルゴリズムとニュートン法が用いられた。成果をOptimal Control, Applications and Methods誌とIEEE Control Systems Letters誌に投稿した。さらに、この理論をマルチドローンの合意制御に応用し、間欠的スパース分散協調制御の実現性を検証した。その結果は、IEEE ICMA2021での最優秀論文賞として評価された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、鳥の波状飛行の原理をスパース最適制御を用いて解析した。学術的には、非線形制御対象へのスパース最適制御の開発と応用に大きな意義がある。社会的な観点からは、ドローン技術へのスパース制御の応用が挙げられる。本研究は、より効率的な飛行経路設計の方向性を示し、それがエネルギーの節約やドローン性能の向上につながる可能性を持つ。また、リアルタイム深層学習を用いたドローンのプラトゥーニング研究は、配達サービスから捜索救助活動まで、ドローンの活用を推進する。さらにIEEE ICMA2021での受賞は、本研究が持つ社会的価値をより明確に示している。
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