研究課題/領域番号 |
20K21010
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分21:電気電子工学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
早川 竜馬 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, 主幹研究員 (90469768)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 有機ラジカル / 巨大磁気抵抗効果 / トンネル接合 / スピントランジスタ / 分子接合 / 縦型分子トランジスタ / 磁気抵抗効果 / 自己組織化膜 / 有機ラジカル分子 / 単分子接合 / 分子接合トランジスタ |
研究開始時の研究の概要 |
有機ラジカル分子は、金属元素を含まず軽元素のみから構成されるため弱いスピン軌道相互作用を示す。そのため、伝導電子のスピン緩和を抑制した高効率なスピン輸送が実現できると期待される。申請者は、これまでオリゴフェニレンエチニレン有機ラジカル単分子接合において287 %に及ぶ巨大磁気抵抗効果を観測することに成功し、不対電子スピンにより母体分子の伝導制御が可能であることを示した。本課題では巨大磁気抵抗効果の発現メカニズムを単分子レベルで明らかにすると伴に、高集積可能な分子デバイスの創成に向けて有機ラジカル自己組織化膜をチャネル層に用いた縦型スピントランジスタへと拡張する。
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研究成果の概要 |
本研究課題では、実用的な分子スピントロニクスデバイスの実現に向けて、申請者が観測してきた有機ラジカル単分子接合における巨大磁気抵抗効果と分子を壊すことなく絶縁膜に内包したトンネルトランジスタを融合した新規縦型スピントランジスタを創生することを目的とした。有機ラジカル分子を2重トンネル接合に内包したトンネル接合素子を作製し、分子軌道を反映したトンネル電流を観測することに成功した。さらに、強磁場ではあるが7 Tにおいて分子スピンの効果によると考えられる300 %の正の磁気抵抗効果を観測した。今後、上記トンネル接合をチャネル層に用いた縦型スピントランジスタへの展開が期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果は、これまでナノギャップ電極やナノプローブを用いて形成されてきた単分子接合での磁気輸送特性に関する研究を高集積可能なシリコンデバイスの中で実現できたことに意義がある。また、近藤効果によるスピン検出に留まっていた有機ラジカル分子接合に関する研究に分子スピンによるトンネル伝導制御という新しい制御手法を示した点で意義がある。今後、分子がトンネル絶縁膜に内包されている利点を活かして、上記トンネル接合をチャネル層に用いた縦型スピントランジスタへ展開できれば、分子スピンと電界効果による多彩なトランジスタ制御が実現できると期待される。
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