研究課題/領域番号 |
20K21011
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分21:電気電子工学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
大谷 知行 国立研究開発法人理化学研究所, 光量子工学研究センター, チームリーダー (50281663)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2020年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 超伝導 / メタマテリアル / マイクロ波 / MKIDs / 超伝導転移温度 / 制御 / 超伝導薄膜 / マイクロ波共振器 / 力学インダクタンス検出器 / ハイパボリックメタマテリアル / 薄膜 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、超伝導体を用いたハイパボリックメタマテリアルによって、超伝導体内のクーパー電子対同士の結合ポテンシャルを人工的に増強して、超伝導転移温度Tcを大きく上げられるとの報告がなされたが、その機構はまだ解明されていない。そこで本研究では、申請者らが培ってきた超伝導トンネル接合作製技術でデバイスを作製してその真偽を実験的に検証し、確認された場合には超伝導検出デバイスへの応用を図る。
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研究成果の概要 |
超伝導体の超伝導転移温度(Tc)は物質固有の値とされていたが、超伝導ハイパボリックメタマテリアル構造では実効誘電率が膜の並行・垂直方向で非対称となり、Cooper電子同士の引力相互作用が強められるという指摘がなされた。そこで、制御性と再現性の高い超伝導体-絶縁体の積層薄膜(Al層の厚み約8 nm)により3層と5層のMKIDs検出器を作製し、周波数2-8 GHzでのマイクロ波透過ゲイン測定で上記の実験的検証を目指した。バルクのTc~1.15 KのAl薄膜についてTcの値が1.7-1.8 Kが観測されたものの、超伝導ハイパボリックメタマテリアルの効果によりTcが上昇した事実は確認されなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
仮に、超伝導ハイパボリックメタマテリアル構造を導入した影響でTcが変化するならば、超伝導薄膜の膜構造で人工的に制御できることとなり、より高温での超伝導状態の実現や民生利用に繋がる衝撃的な事実となる可能性があったが、今回の検証では、そのような事実は確認できず、ハイパボリックメタマテリアル構造がCooper Pairの引力相互作用に影響を与えると結論づけるには至らなかった。
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