研究課題/領域番号 |
20K21016
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分22:土木工学およびその関連分野
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
安永 守利 筑波大学, システム情報系, 教授 (80272178)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 打音検査 / 大脳 / 自己組織化マップ / ニューラルネットワーク / コンクリート / FPGA / フォールトトレラント / フォールトトレランス / ニューラルネット / 機械学習 |
研究開始時の研究の概要 |
橋やトンネルなどの社会インフラの老朽化が進んでおり,その点検作業が急務となっている.一方,熟練点検者の数は年々減少しており,老朽化に対して点検作業が追い付いていない現状にある. 本研究の目的は,AI(人工知能)を利用した打音検査装置の基礎技術を開発することである.本研究の特徴は,AI技術として大脳のモデルを用い,さらにこのモデルにその他のAI技術を併用することにある.また,そのための専用ハードウェアの基礎技術を開発することである.これにより,高い検査精度と速い検査速度の実現が期待できる.
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研究成果の概要 |
大脳聴覚野の数理モデルに基づき,コンクリート建造物の叩き点検を行う打音検査システムを開発した.大脳視覚野のモデルとして,人工知能の1つとして知られている自己組織化マップ(SOM:Self-Organizing Map)を用いた.コンクリート試験体を用いてSOMの学習データを約10,000個取得し,SOMの学習を行なった. 試験体を用いた評価の結果,内部欠陥の有無,欠陥の種類を90%以上の精度で判定できた.また,実際の老朽化したコンクリート構造物においても高い正解率を示した.さらに,学習演算の高速化のための専用ハードウェアを試作し,ソフトウェアによる学習を約100倍高速化することができた.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在,我が国の橋梁,トンネル,ビルディング等のコンクリート建造物の老朽化は急速に進んでおり,その点検が急務となっている.コンクリート内部の点検には,主に熟練検査者による叩き点検(ハンマーでコンクリート表面を叩き,その音から内部欠陥の有無や種類を判定する)が必要である.一方,検査者の高齢化や少子化による人員不足により熟練点検者の数は減少している. 本研究により,叩き点検を熟練検査者に代わって機械的に点検可能となること,あるいは,経験の浅い検査者をサポートすることができる.また,本研究で開発したハードウェア(FPGAを用いたハードウェア)は,今後の人工知能システム開発に寄与することができる.
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