研究課題/領域番号 |
20K21019
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分22:土木工学およびその関連分野
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
大瀧 雅寛 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 教授 (70272367)
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研究分担者 |
風間 しのぶ 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特任講師 (20749444)
溝添 倫子 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 基幹研究院研究員 (20894520)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2020年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | 合成DNA / UV反応性 / 連続チミン対数 / DNA二次構造 / 塩基配列 / 二次構造 / 自由エネルギー / UV線量計 / チミン連続対 / 制限酵素 / UV装置評価 / UV耐性バリエーション |
研究開始時の研究の概要 |
通水型UV殺菌装置の性能評価には,UV耐性既知の生物を投入し,その生残率から装置内の平均的UV照射量を算定する生物線量計法が世界的にも一般的であるが,使用可能な生物は実質的には限られている.本研究は生物の代わりに合成DNAを用いることで,様々なUV耐性バリエーションをもつ線量計を開発することが目的である.UV照射による合成DNAのUV損傷を分断酵素とPCR法を併せて用いることで定量化する方法を試みる. この結果,自在にUV耐性を設計でき,かつ複数種の同時使用が可能な汎用性が高い方法の開発ができる.またUV殺菌装置だけでなく,他の多くのUV照射量評価(例:太陽光からUV量測定)も想定される.
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研究成果の概要 |
紫外線(UV)処理は病原体の殺菌に有効であり,塩基配列から紫外線感受性を推定することが有効である。本研究では、100-150 塩基長の合成 DNA 分子を設計・使用し、DNA内の連続したチミン対数とDNA の二次構造についてUV反応性の決定因子として検討した。結果、紫外線照射による二量体形成DNAは、定量的ポリメラーゼ連鎖反応(qPCR)により検出可能であることが示された。またUV照射後のPCR不検出率から、DNA内の連続チミン対の数によって決定されるが,相補的結合数,即ち自由エネルギー値はUV反応性は影響を及ぼさないことが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の結果は合成DNAを利用することで,二次構造の有無に関わらずDNA内の連続したチミン対の数によってDNAのUV反応性が決定されるという明確な証拠を提示した.これはDNA塩基からUV反応性を推定するための方法論において非常に重要な学術的意義を示している.また合成DNAのUV反応性を正確に設計できることから,モデル微生物として被照射UV量を測定する生物線量計として使用できることを示した.モデル微生物を用いた被照射UV量の計測はUV装置の評価や,様々な空間におけるUV照射での病原リスク低減効果評価に適用できることから社会的意義は非常に大きい.
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