研究課題/領域番号 |
20K21044
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分24:航空宇宙工学、船舶海洋工学およびその関連分野
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研究機関 | 東京海洋大学 |
研究代表者 |
井田 徹哉 東京海洋大学, 学術研究院, 教授 (80344026)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | パルス着磁 / 高温超電導バルク / 超電導同期電動機 / 船舶推進器 / 超電導界磁極 / 超電導同期発電機 / バルク高温超電導 / 電気推進 / 超電導モータ / 超電導発電機 / バルク / 電動機 / 超伝導発電機 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、強力な電磁力によって次世代船舶が将来搭載すべき小形高効率な電気推進機として期待される船舶推進用超電導バルク電動機の開発に資するものである。実用的な出力を持つ超電導電動機では複数の超電導バルク磁石の集積体が全体で1個の大型の界磁極として振る舞い高い磁束密度を保つ必要がある。本研究では超電導バルク磁石の集積体に対する効果的なパルス着磁技術を開発する。従来は1個の超電導バルク磁石に対して物性研究の観点から着磁を行ってきた研究を、集積バルク磁石に対する実用化を前提とした着磁技術の確立へと軸足を移す課題であり、これまでの方向を大きく変革、転換させる潜在性を有する挑戦的研究として位置付けられる。
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研究成果の概要 |
本研究は、船舶推進用超電導バルク電動機の高性能を担保しながら実運用へ供するためにパルス着磁技術の確立を目的とする。界磁極を模した3個のGdBCOバルクから構成したアレイに対して、液体窒素温度で渦巻型銅コイルによるパルス着磁を試みた。バルクに対向配置した3つのコイルを直列接続したところ、静磁場による着磁と同様の磁束密度分布が得られた。 3個のバルクへ順にパルス磁場を印加したところ、互いの磁場による干渉のために隣接するバルクの中心部では最大12%の捕捉磁束密度の減少が観測された。しかし、順次着磁を行う際の条件を工夫することで、直列接続したコイルによる着磁と比べて捕捉磁場分布を改善することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
高温超電導バルク材料は永久磁石の数倍を超える強磁場を発生する磁石として、船舶推進器や発電機の小型化、効率化を果たす可能性を持つ。しかし、現在のところ大型で高品質な材料を製造することは技術的に困難であり、大出力を扱うために総磁束を増やすためには複数の材料を集積して界磁極を構成する必要がある。本研究はそのように集積した高温超電導バルク材料に強磁場を捕捉させて使用するために必要な手法を模索したものである。本研究の成果は高温超電導バルク材料の搭載による小形/高出力・高効率な舶用推進機のみならず、海洋エネルギーを含む発電機の実現に向けて先鞭を付けたものである。
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