研究課題/領域番号 |
20K21048
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分24:航空宇宙工学、船舶海洋工学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
後藤 浩二 九州大学, 工学研究院, 教授 (60274487)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2020年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | 疲労 / 疲労亀裂伝播則 / 両振り塑性仕事 / 応力拡大係数 / 構造・材料 / 材料・構造力学 / 疲労亀裂伝播 / 塑性仕事 |
研究開始時の研究の概要 |
疲労亀裂伝播挙動評価法は,破壊力学パラメータの応力拡大係数範囲(DK)を指標とするParis則等を用いることが常識であるが,実構造物中に存在する亀裂に対するDKは通常の応力解析だけでは求められないため,亀裂先端近傍の応力~ひずみ場を考慮した別パラメータ(例えばJ積分)の計算を追加実施しなければこれを同定できない. 本研究は,通常の設計段階で利用される応力解析の結果のみを活用して疲労亀裂伝播現象を定量的に考慮できる革新的な疲労亀裂成長手法の構築を目標としている.
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研究成果の概要 |
本研究では応力拡大係数をパラメータとせずに疲労亀裂伝播履歴を推定可能な手法の構築を目的とした.得られた成果は以下の通りである. (1)デジタル画像相関法により,疲労亀裂伝播試験中の亀裂先端近傍に生じる繰返し塑性域寸法を測定し,これと疲労亀裂伝播速度の関係を調査した.また,繰返し塑性仕事をパラメータとする疲労亀裂伝播則の成立を確認した.(2)(1)で得た伝播則を弾塑性FE解析に実装させ,リメッシング処理を活用して疲労亀裂伝播シミュレーションを可能とした.(3)FE解析による亀裂成長履歴の推定精度改善を目的に,繰返し負荷かつ亀裂先端近傍の高ひずみ集中条件にも適用可能な応力~ひずみ関係を測定した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
疲労亀裂伝播則は応力拡大係数範囲をパラメータとするParis則が提案されて以降,これの改善によってのみ発展したが,本研究の成果は破壊力学パラメータを不要とする疲労亀裂伝播則の可能性を示唆しており,学術面における独自性が極めて大きい.また,亀裂進展に伴う破壊力学パラメータの計算を不要し,通常の構造設計段階において得られる情報のみで疲労亀裂成長を評価できるため,社会インフラの疲労強度評価を簡潔かつ高精度に実施可能となり,社会的意義も大きい.
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