研究課題/領域番号 |
20K21055
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分25:社会システム工学、安全工学、防災工学およびその関連分野
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
木村 一郎 富山大学, 学術研究部都市デザイン学系, 教授 (60225026)
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研究分担者 |
酒井 英男 富山大学, 理学部, 客員教授 (30134993)
泉 吉紀 サレジオ工業高等専門学校, その他部局等, 講師 (60793669)
立石 良 富山大学, 学術研究部都市デザイン学系, 准教授 (30823322)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 帯磁率異方性 / 河川 / 河床変動 / 流砂 / 洪水 |
研究開始時の研究の概要 |
土砂災害減災に資する新たな調査手法を提案する.これには災害時の土砂の動態の解明が不可欠で,洪水時の観測と共に事後調査も重要である.後者において,堆積状況や構造物被害等の調査がなされるが,これらは痕跡からの推測にすぎない.本研究では土砂の磁性が堆積状況を記録する特性を利用して水流ベクトルを定量的に求める新規手法を開発する. 研究の基本は土砂が水流の影響で堆積すると流体力に呼応した方向性を有する群体を形成することで,目視ではこれを観察できないが,これに伴う磁化特性は測定できる.磁性と流体力との関係を定量化すると,水流履歴を知ることが可能となり,災害調査の有用なツールとなる.
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研究成果の概要 |
本研究は河川底質土砂の帯磁率(粒子が磁化を帯びる現象)とその異方性が堆積時の流況を記録しているという特性を利用し,洪水時の流況の情報を求めるという手法の開発を目指すものである.室内水路実験結果から,流水と帯磁率異方性テンソル,さらには粒子楕円体の三軸との間の相関性が指摘され,帯磁率計測が洪水痕跡調査の有力な調査方法となりうることが示唆された.また,帯磁率楕円体の最小軸は鉛直方向から上流側に傾き,最大軸は流れと平行に集中するという特徴的な性質なども見出された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
堆積時の流況と土砂粒子の帯磁率および粒子配列の相互の関係を系統的かつ制御された実験条件のもとで検討した事例はこれまでほとんど例がなく,新規性が高い研究といえる.特に,河川工学分野では帯磁率を計測に利用する発想がこれまでほとんどなかったため,学術的に意義が高いと考えられる.一方,最近増加しつづける河川災害の減災に向けて,過去の洪水痕跡調査はその手掛かりをしる有益な方法であり,本研究で用いた手法や知見はこのような分野にも貢献でき,社会的意義も大きい.
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