研究課題/領域番号 |
20K21057
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分25:社会システム工学、安全工学、防災工学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
釜井 俊孝 京都大学, 防災研究所, 教授 (10277379)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 盛り土 / 宅地 / 災害 / 地震 / 豪雨 / 未災 / 不動産 / 法整備 / 地盤災害 / 復興 / 地盤 / 資産評価 / 土砂災害 |
研究開始時の研究の概要 |
固定資産税など、住民に身近な資産評価(税)と災害のリスク情報を関連付けることで、社会全体で未災の意識を高める方策を探る。税制と災害対応は、これまで全く別な体系で発展してきた。しかし、事前に住民を実際に動かし、被害を軽減するには、例えば、災害リスク税の創設によって資産価値を大幅に増減させるといった、ドラスティックな施策が必要である。そこで、ここでは、そのためのパイロット的提案を実証データに基づいて行う。さらに、研究の過程では、地価(資産評価)から見た平成の大災害史も見えてくると期待される。
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研究成果の概要 |
安全のグレーゾーンである「未災の場」を対象とし、そこが内包するリスクを様々な角度から総合的に解明する学問として、「未災学」を提唱した。特に、宅地のリスクについて未災学の視点から検討を進め、従来の宅地の造成・管理方式では対応しきれない、盛土内部の地下水流動の実態を明らかにし、それらが、災害の原因となることを具体的に立証した。更に、住民・開発者双方の「欲望を管理する仕掛け」として、災害リスク税を柱とする税制改革、宅地防災組合、宅地防災基金等の様々な「財布に直接響くメッセージ」を提唱した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
戦後の地震空白期の終焉と極端気象の時代の到来によって、そもそも、あらゆる災害の誘因は大きくなっている。と同時に、高度経済成長期から半世紀が過ぎ、造成地の盛土や擁壁の老朽化が目立つ様になった。つまり、宅地崩壊のリスクは増大している。しかし、不思議と国民の大半は、明日は我が身と思っていない。関東南部、大阪、名古屋等の巨大都市圏で予想される、大規模な宅地崩壊に対処するためには、「未災の意識」を住民・自治体が共有する必要がある。未災学は、防災対策の議論の基盤を提供するとともに、あるべき方策の指針を示すものである。本研究で実施されたシンポジウム等を含む研究成果はそのための第一歩としての意義を有している。
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