研究課題/領域番号 |
20K21061
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分25:社会システム工学、安全工学、防災工学およびその関連分野
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
笹原 克夫 高知大学, 教育研究部自然科学系理工学部門, 教授 (90391622)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 斜面崩壊 / 地すべり / 降雨 / 地下水位 / 変位 / クリープ / 予測 / 給水 / 排水 / 吸水 / 変位速度 / 変位加速度 / 排水過程 / 吸水過程 |
研究開始時の研究の概要 |
土砂災害、特に斜面崩壊は降雨中のみならず、降雨後に発生することもあり、土砂災害に対する住民の警戒避難や、土砂災害による道路通行規制上の問題となっている。また地すべりは降雨終了後の無降雨期間にも数カ月の間移動を続けることも頻繁にある。このような降雨終了後の斜面の変形の進行のメカニズムを解明し、土砂災害への警戒避難基準の高度化に資するために、降雨中の吸水速度や、その後の排水速度が土の変形に与える影響について実験的検討を行い、力学的モデル化を目指す。
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研究成果の概要 |
斜面崩壊の検知や予測のために斜面の変位や地下水位の計測が行われるが,その中で降雨中に地下水位が一定ないしは低下する条件下で,斜面の変位が進行し,崩壊に至る例がしばしば見られた。上記のような,一般の土質力学では表し得ない変位を再現するために,本研究では,時間依存性の変位増加を変位速度と加速度の関係を基に定式化し,それと地下水位上昇に伴う変位を表す双曲線関数を組み合わせたモデルを提案した。このモデルを人工降雨下の模型斜面の変位に適用したところ,地下水位上昇時のみならず,地下水位一定時ないしは低下時の変位増加を良く表し得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
降雨による斜面崩壊発生直前には,通常地下水位が上昇しながら斜面の変位が増加し,崩壊に至ることが多い。土質力学的な手法は,通常はこの地下水位上昇に伴う崩壊発生を説明している。しかし実際には,地下水位が一定ないしは低下する条件の下で,斜面の変位が進行し,崩壊に至る事例も多い。これを説明し,再現するモデルを構築することは,斜面崩壊の発生予測のために重要であり,土砂災害や斜面災害の対策,特に警戒避難などのソフト対策に大きく資することとなる。
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