研究課題/領域番号 |
20K21062
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分25:社会システム工学、安全工学、防災工学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
谷本 潤 九州大学, 総合理工学研究院, 教授 (60227238)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2020年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | 新興感染症 / パンデミック封じ込め / IoT / ワクチン接種オファー / dynamic vaccination / 感染症 / 数理疫学 / ゲーム理論 / vaccination game / 複雑ネットワーク科学 / 季節性インフルエンザ / COVID-19 / 進化ゲーム / 先制的予防接種 / 進化ゲーム理論 / 補助金 |
研究開始時の研究の概要 |
感染症伝搬は,経路となる社会システムを適切に制御することで,感染を封じ込め,大流行を未然に防ぐ対策が立てられるかもしれない.医療福祉費との均衡を保ちながら,高齢者をインフルエンザ感染から守るためには,前記の感染医学的アプローチを補完する,効率的で総合的なインフルエンザ封じ込め対策の構築が必要である.本提案では,社会総コストを最小化しつつ,次世代IoT技術に裏付けられた社会情報システムを整備することで,個々の高齢者の意志決定に直接アクセスする社会的介入を行い,効率的にインフルエンザ感染を封じ込める,との全く新しいコンセプトに基づき,そのフィージビリティを検討する.
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研究成果の概要 |
スマートフォンなどのIoT端末に接種オファーを出すことで,感染者の物理接触者を特定して彼らをimmunizeし,感染突端をローカルレベルで即座に封じ込むことが可能になる.このコンセプトをDynamic Vaccinationと云う.感染者発生直後から感染者の隣人に対しワクチン接種を施すDynamic vaccinationを,複雑ネットワーク上で行うMulti Agent Simulationモデルを構築した.ワクチンによる免疫獲得の確率性と感染者やその隣人を特定する情報ノイズの影響がDynamic vaccinationに与える影響を系統的に調べた.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
情報ノイズの影響は非常に小さく,対してワクチンの確率的有効性の影響は極めて大きいことが明らかとなった.有効性の低いワクチンではDynamic vaccinationにより流行初期の封じ込めに失敗することになる.この欠点を補うために感染者の第2近傍の隣人にも一定割合でワクチン接種を施す方策を検討したところ,大感染を招く可能性は低減されず,費用対効果の減少により社会総コストが増加することがわかった.
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