研究課題/領域番号 |
20K21071
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分26:材料工学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
福山 博之 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (40252259)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 熱力学 / 結晶成長 / 窒化物半導体 / 電磁浮遊法 / 窒化アルミニウム / その場観察 / Ni-Alフラックス / 窒化物 |
研究開始時の研究の概要 |
チョクラルスキー法とは、種結晶を融液に接触させて回転させながら引き上げ、単結晶を得る結晶成長法である。シリコンとは異なり、高温では窒素が解離して融液を形成しない窒化物結晶には本手法は適用できないと考えられてきた。本研究では、熱力学的考察とその場観察を組み合わせて、融液が窒素ガスと反応しながら結晶成長できる条件を探索し、窒化物生成反応を組み入れた新たな「反応チョクラルスキー法」を開発する。窒化アルミニウムの結晶成長は、特に難易度が高く、超高温下で昇華法によって作製されている。本研究は、昇華法に置き換わる新たな「反応チョクラルスキー法」の学術原理を構築し、実現可能性まで検証することを目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究では、窒化アルミニウム(AlN)成長用フラックスとしてNi-Al融液を取り上げ、熱力学的検討を行ない、温度、窒素分圧とフラックス組成をパラメータにして、AlN生成の駆動力を示した結晶成長ダイアグラムを作成し、AlN生成反応の駆動力を平衡近傍に制御して結晶成長を行う指針を得た。結晶成長ダイアグラムに基づき、電磁浮遊法を用いたAlN結晶成長のその場観察を実施し、成長の最適条件を得た。本研究の最終段階として、Ni-Al融体を用いて最適な駆動力条件下でAlN結晶成長実験を行った結果、成長速度および結晶品質の観点から、反応チョクラルスキー法が実現可能であることが確認された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
幅広い紫外領域をカバーするAlGaN系紫外発光素子の内部量子効率は、サファイア基板とAlGaN層の格子不整合に起因する多数の貫通転位のために低く抑えられている。本研究成果は、AlN単結晶の新たな成長方法を提案するものであり、サファイア基板をAlN基板で置き換えることによって、飛躍的な格子整合性の向上、ひいては、内部量子効率の向上につながることが期待される。AlN単結晶は、原料紛体を2000℃以上の高温で昇華させ、温度勾配下で再結晶させて単結晶を得る昇華法により製造されているため、極めて高価で、市場への供給も不安定である。本研究は、昇華法に代わる低コストな結晶成長法としても期待されている。
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