研究課題/領域番号 |
20K21079
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分26:材料工学およびその関連分野
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
守谷 誠 静岡大学, 理学部, 准教授 (70452208)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 固体電解質 / 分子結晶 / マグネシウム / イオン伝導 / 結晶構造 / 全固体電池 / 超分子 / イオン液体 |
研究開始時の研究の概要 |
理想的な蓄電池の一つとして、全固体マグネシウム二次電池が期待されているが、その実現には室温でマグネシウムイオンを拡散させる固体電解質が必要である。研究代表者は、このような固体電解質の候補として「超分子の規則的配列により伝導パスが形成された分子結晶」に着目してきた。その結果、選択的かつ高速なリチウムイオン伝導性を発現する種々の分子結晶を合成することに成功している。本研究ではこの知見をマグネシウムイオン伝導に活用する。具体的には、マグネシウム塩を用いた新規分子結晶の合成と原子レベルでの伝導パスの構造制御を検討し、マグネシウムイオンの室温高速拡散を実現する。
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研究成果の概要 |
Mgイオン伝導性固体電解質の開発を目的として、Mg塩を構成要素とし、イオン伝導パスを有する新規分子結晶電解質の合成を検討した。出発原料としてMg{N(SO2CF3)2}2を用い、種々の有機基質やイオン液体類縁体との反応から、新規分子結晶電解質を作製した。得られた分子結晶の構造を単結晶X線構造解析により明らかにした。また、電気化学測定により、固体状態におけるそれぞれの分子結晶のイオン伝導性とMgイオン輸率を評価した。得られた分子結晶電解質の結晶構造とMgイオン伝導特性の相関について精査することにより、高Mgイオン伝導性分子結晶に向けた材料設計指針の基礎となる知見を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
Mgイオン伝導性固体電解質が大きな注目を集めているが、二価カチオンであるMgイオンはアニオン部位と強固な相互作用を形成するため、固体中での高速拡散は容易ではなかった。一方、本研究では、室温下でMgイオン伝導性を示す新規分子結晶電解質を複数得るとともに、それらの詳細な結晶構造を明らかにすることに成功した。これは、Mgイオン伝導性固体電解質の新たな探索領域として、分子結晶に大きな可能性があることを示すとともに、全固体Mg電池の開発に新たな方向性を示す結果として、学術的にも産業的にも意義の大きな研究成果といえる。
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