研究課題/領域番号 |
20K21081
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分26:材料工学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
宇治原 徹 名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 教授 (60312641)
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研究分担者 |
原田 俊太 名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 准教授 (30612460)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | インターカレーション / 熱伝導 / 熱制御 / 熱伝導率変化 / 熱物性 / 熱デバイス / アモルファス |
研究開始時の研究の概要 |
熱エネルギーは扱いにくいエネルギーである。最近、熱を制御するためのデバイスが提案され、熱スイッチもその一つである。本研究では、具体的には、非晶質酸化物をベースにイオンの挿入・脱離で熱伝導率が大きく変化する熱伝導可変物質を活用し、熱伝導可変物質とイオン供給層を積層させ、イオンが移動する程度に電圧を短時間印加する。それで高熱伝導状態(on)と断熱状態(off)を切り替える。
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研究成果の概要 |
我々は、結晶構造内へのイオンの電気化学的な挿入・脱離により、断熱状態と高熱伝導状態を可逆的に変化させることが可能な「熱スイッチ材料」の開発を試みている。これまでの研究では、アモルファスWO3薄膜への水素挿入(HxWO3)では、x=0~0.32の範囲ではH挿入により熱伝導率が減少するが、x=0.32において一旦大きく上昇し、x > 0.32では再度H挿入に伴い熱伝導率が減少する様子が確認された。このような複雑な変化が起きる原因は、H挿入に伴う結晶の局所的な構造変化であることが予想される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
新たな機能性の追求は、物質を新たな観点で見直すことであり、そこには発見がある。本研究では、非晶質へのイオン挿入・脱離でみられる熱伝導率の動的変化を追求する。この過程では一般的に熱伝導率の低い非晶質が高熱伝導化する。これは局所的な結晶性やそのネットワーク構造等、非晶質性と結晶性の物性を橋渡しする現象である。本研究では、これまで遅れていた非晶質の熱物性に迫る。本研究の発展形の一つは電子デバイス中に熱制御部を組み込んだ、デバイス内蔵型熱設計である。
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