研究課題/領域番号 |
20K21091
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分26:材料工学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
佐藤 幸生 九州大学, 工学研究院, 准教授 (80581991)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2020年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 自動化 / ロボッティック・プロセス・オートメーション / 走査透過型電子顕微鏡 / RPA / 電子顕微鏡 / 原子配列 / 強誘電体 / ロボット / 誘電体 / キュリー点 / デジタル革命 |
研究開始時の研究の概要 |
機能性ナノ物質の材料開発において結晶構造の理解は非常に重要である。近年、原子位置の決定精度が大きく向上した走査透過型電子顕微鏡法(STEM)は結晶構造解析への適用が進められており、その中で原子位置決定の自動化・高速化が求められている。本計画では、ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)を導入してSTEM像中の原子位置を高速自動解析する手法を確立し、適用の一例として、チタン酸バリウムナノ粒子においてその強誘電性が消失する温度(キュリー点)を直接観測する。
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研究成果の概要 |
ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)を導入してSTEM像中の原子位置を同定する「ロボット」を作成し、人間との協働を確立することを第1の目的とした。若干の工程変更を要したものの、工程の100%を自動化したロボットの制作に成功した。この技術を適用して、チタン酸バリウムナノ粒子やBiFeO3―BaTiO3(BF-BT)セラミックスの分極構造解析を行った。粒径約100nmのチタン酸バリウムナノ粒子ナノ粒子でバルク正方晶と同等の格子定数が得られ、サイズ効果の影響を受けていないことが判明し、BF-BTセラミックスでは、Biイオンの変位に由来する極性ナノ構造の形成を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で活用されたRPAテクノロジーは高度なプログラミングを要さないことが一つの大きな特徴である。これは例えば大学の研究室など、研究グループでの継続的な利用に非常に有利である。対象はSTEM像解析に限らず広く種々のデータ解析、自動操作に適用可能であるため、自然科学の研究一般において利用される可能性を秘めている。 本研究で対象とした原子分解能STEM解析は非常に強力であることが材料科学分野では知られているものの、データの解析に多くの時間と労力が浪費されることも知られており、広く用いられるには至っていない。本研究によるRPAロボットの開発はSTEM解析普及の一助となる可能性がある。
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