研究課題/領域番号 |
20K21096
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分26:材料工学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
谷口 尚 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, 拠点長 (80354413)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2020年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | ダイヤモンド / 高圧合成 / 複合欠陥 / ダイヤモンド単結晶 / 異種元素ドーピング / 窒素、ホウ素ドーピング / カラーセンター探索 / カラーセンター |
研究開始時の研究の概要 |
硬度、熱伝導率等で最大の物性値を持つダイヤモンドにおいて、過去に未踏の大きな格子 ミスフィットを伴うドーピングへの自由度が得られれば飛躍的な機能応用展開が期待できる。ダイヤモンド中の主たる不純物は炭素の両隣のホウ素(B)と窒素(N )であり、理論的にはダイヤモンド中にBとNが固溶する際、B-Nペアの形成が安定と予想される。そこで、ダイヤモンド中に100ppmレベルでのB-Nペアによる複合欠陥形成し、大きな格子ミスフィットを伴う異種元素のppmレベルのドーピングに挑む。高濃度BNペア形成への挑戦度は高いが、従来の1500℃領域の高圧合成に加え、非金属触媒による2000℃領域での展開に挑む。
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研究成果の概要 |
ダイヤモンド中の窒素濃度を0.1~100ppmレベルで制御する高圧合成条件を確立した上で、微量のホウ素を添加することで、1~10pm領域の濃度で窒素、ホウ素が共添加された単結晶を合成した。窒素濃度はESR法により、結晶内で炭素原子を置換したP1センター濃度により評価し、ホウ素濃度はSIMS分析により評価した。窒素過剰の黄色からホウ素過剰の青色のダイヤモンド結晶とともに、中間領域でほぼ無色のダイヤモンド結晶が得られた。 更に異種元素としてSn添加の効果は顕著な再結晶黒鉛の生成とし同時に良質のダイヤモンド単結晶も得られた。観測された新規のカラーセンターがSn由来であるかの評価は今後の課題である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
硬度、熱伝導率等が最大のダイヤモンドにおいて、過去に未踏の大きな格子 ミスフィットを伴うドーピングへの自由度が得られれば飛躍的な機能応用展開が期待できる。ダイヤモンド中の主たる不純物は炭素の両隣のホウ素(B)と窒素(N)であり、ダイヤモンド中にBとNが固溶する際、B-Nペアの形成が安定と予想される。育成溶媒の最適化による窒素濃度の制御と精密なホウ素添加量の制御により、1~10ppmレンジでB-N共添加のほぼ無色のダイヤモンド結晶を得た。SIMS分析とESR分析により、結晶中でB-Nペアの形成が示唆される。高圧下でのダイヤモンドへのB-N複合欠陥の導入はドーピング自由度の拡張として期待できる。
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