研究課題/領域番号 |
20K21099
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分27:化学工学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 (2022) 筑波大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
中村 潤児 九州大学, カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所, 教授 (40227905)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2020年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | メタノール合成 / Cu/ZnO触媒 / CO2の水素化 / エネルギー選別 / Cu触媒 / 反応メカニズム / ジオキシメチレン / 表面科学 / 反応ダイナミクス / 振動励起 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では通常の熱的触媒反応では得られない生成物分布を可能にする、全く新しいタイプの不均一系触媒リアクターの創出を目指している。既存の触媒リアクターでは、熱を気相反応物と触媒の両方に供給して反応を行わせているが、研究代表者はCu触媒を用いたCO2とH2の反応において、Cu触媒を加熱しなくても反応物CO2だけを加熱するだけで反応が進行することを明らかにしてNature Chemistryで発表した。本研究ではこの発見を応用して気相分子と触媒に対して別々にエネルギーを供給することで、生成物を自在に制御するリアクターを開発する。反応としてCO2とH2からのCH3OH(メタノール)合成にターゲットを絞る。
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研究成果の概要 |
CO2の水素化によるメタノール合成にCu/ZnO系触媒が用いられる。この触媒反応の活性点および反応メカニズムは長らく論争となっている。研究代表者は、Cu表面でCO2からフォーメート中間体が生成し、CuZn合金サイトでフォーメートの水素化が進行してメタノールが生成すると主張している。CO2からのフォーメート生成にはO-C-O変角振動を励起することによって進行し、フォーメートの水素化は触媒表面で進行する。本研究では、低温でメタノールを進行させることを目的として、まず、フォーメートの水素化の反応メカニズムを解明し、さらに遠赤外線ヒーターを用いた反応器を設計した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
CO2からのメタノール合成は、温室効果ガスであるCO2の化学的転換として最も有望である。世界中でメタノール合成触媒の研究が盛んであるが、触媒活性点及び反応メカニズムについては論争になっている。本研究では、原子状水素を水素源として使用するという特殊な実験手法を用いて不安定なジオキシメチレン中間体を初めて観測することに成功した。この研究成果は論文誌JACSにて報告した。さらに、メタノール合成のポテンシャルダイアグラムを作成することができた。また、フォーメートの水素化過程を促進する道筋が得られ、触媒反応温度を低下させる可能性が示された。これらの成果はメカニズム論争を終結させる重要な結果である。
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