研究課題/領域番号 |
20K21103
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分27:化学工学およびその関連分野
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
小松 隆之 東京工業大学, 理学院, 教授 (40186797)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
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キーワード | 金属間化合物 / 合金 / 破断面 / 触媒特性 / ボールミル / 水素化 / アセチレン水素化 / 粉砕 / 金属粒子 / 触媒作用 / へき開面 / 露出面 / 劈開面 / 白金 |
研究開始時の研究の概要 |
2種の金属元素から形成される金属間化合物は、純金属および通常の固溶体合金とは異なる特有の結晶構造をもつ。しかし表面における原子配列は、表面エネルギーを最低にするように2種の原子が再配置するため、バルクの原子配列とは大きく異なる場合がある。金属間化合物を物理的に破砕すると、その直後にはバルクと同じ原子配列をもつ不安定な新生表面が露出すると考えられる。そこで本研究では、反応ガス雰囲気下で金属間化合物を破砕することにより、このような不安定な新生表面が生起する特異な触媒作用を明らかにすることを目的とし、破砕可能な種々の金属間化合物について検討する。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、金属間化合物を物理的に破断したときに現れる新生表面の触媒特性を明らかにすることである。新生表面はごく短寿命であるため、密閉容器中に金属間化合物と反応ガス(アセチレンと水素)を封じてボールミルを行い、反応ガス中での新生表面の形成を試みた。アセチレンの水素化を行った結果、Niを触媒にした場合に比べて、Ni-Fe固溶体合金およびNiGa金属間化合物を用いると、部分水素化によるエチレン生成の選択性が高くなることを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
金属間化合物は通常の合金とは異なり機械的な力が加わると割れやすい性質を持つ。割れた直後の断面(新生表面)はごく短寿命であり、その触媒作用を研究した例はない。本研究では反応ガス中で金属間化合物を粉砕することにより、新生表面の触媒作用を明らかにすることを目指した。アセチレンと水素の混合ガス中で金属間化合物を粉砕したところ、Niに比べて金属間化合物NiGaがエチレンを高選択的に与えることを明らかにした。本反応システムは、機械的エネルギーを触媒の形成および再生に利用するというユニークなシステムであり、他の反応にも広く適用可能と考えられる。
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