研究課題/領域番号 |
20K21104
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分27:化学工学およびその関連分野
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
西迫 貴志 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 准教授 (10431983)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | マイクロプロセス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,多数の支柱を規則的に並べたマイクロ流路内に各種反応・処理液からなる多相並行流を形成し,規則的な支柱配列を用いて液滴や粒子を斜行・横断させ,各種反応・処理を精密制御して機能性微粒子を調製する,という新たな粒子・流体プロセス技術を提案する.本研究提案の概念実証のため,(a) ポリマー粒子の架橋反応制御試験,(b) ポリマー微粒子の表面修飾試験,(c) 二分子膜小胞体の生成試験,を実施する.
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研究実績の概要 |
2022年度は以下の研究を実施した. (1)マイクロ流路デバイスの作製:①Water-in-Oil(W/O)液滴生成を目的とした,マイクロチャネル(MC)乳化用ノズルアレイとDLDマイクロピラーアレイを組み合わせたデバイスの設計・制作を行った.ノズル(開口部最大幅175um,深さ9um)とDLDピラー(深さ90um,直径100um,ギャップ80um,分離直径37um)のPDMSへの型取りは前年度と同様に行った.型取りしたPDMS片とPDMS薄膜をコーティングしたスライドガラスを酸素プラズマ処理により接合することで,流路内壁の全てをW/O液滴生成に適した疎水性壁面とした. (2)MCノズルとDLDピラーを用いたアルギン酸カルシウムゲル粒子生成試験:上記デバイスのMC乳化用ノズルアレイに分散相としてアルギン酸ナトリウムの2wt%水溶液を送液し,連続相として,コーン油,カルシウムイオン(Ca2+)を含むW/Oエマルション,コーン油を3つの並行流として導入した.ノズルにおいて直径約80um,CV値3%のアルギン酸ナトリウム水滴の主滴がサテライト滴と共にコーン油中に生成する様子を確認した.さらに,サテライト滴はコーン油の流れに沿って流路側壁近傍のピラー間を縫うように流動するのに対し,主滴は斜行軌道を取り,W/Oエマルションの並行流に侵入していく様子を確認した.W/Oエマルション流からさらにその隣のコーン油流に侵入した主滴を観察したところ,イオン交換反応による架橋されたアルギン酸カルシウムゲル粒子が水滴内部に含まれていることを確認した. (3)ゲル粒子の溶液置換試験:上記試験において,MCノズルから遠い側のコーン油流の隣にグリセロール水溶液(80wt%)を並行流として追加導入し,アルギン酸カルシウム粒子の生成と溶液置換が連続的に行えるかの検討を行った.W/Oエマルション流内におけるゲル化反応を経て生成したゲル粒子が,そのまま斜行軌道を継続し,コーン油とグリセロール水溶液の界面を通過できることを確認した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年度に油水界面横断による二分子膜小胞体の形成試験を予定していたが,そのために必要なPDMS製マイクロ流路の局所的親水化技術の確立に想定以上の時間を要し,上記試験の進捗に遅延が生じたため.
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今後の研究の推進方策 |
延長後の最終年度である2023年度は,油水界面横断による二分子膜小胞体の形成試験に主に注力するとともに,本研究課題の総括として各種成果発表を進める.
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