研究課題/領域番号 |
20K21108
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分27:化学工学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
吉田 寿雄 京都大学, 人間・環境学研究科, 教授 (80273267)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | 光触媒 / カップリング / 脱水素的カップリング / ブレンド触媒 / クロスカップリング / 脱水素的クロスカップリング |
研究開始時の研究の概要 |
光触媒による脱水素的クロスカップリング反応(DCC反応)では,常温で余分な試薬を消費せずに,2つの有機分子のそれぞれの炭素-水素結合を切断して炭素-炭素結合を形成することによって目的生成物と水素分子を直接合成できる.最近,研究代表者は,酸化チタン光触媒とパラジウム触媒を物理混合した「ブレンド触媒」が有機化合物と芳香環との間のDCC反応を促進することを発見した.そこで本研究では,このブレンド触媒による反応機構を解明し,ブレンド比やパラジウム触媒を最適化して高活性化を達成し,さらには,ブレンド触媒の特徴を活かした他の光触媒的DCC反応にも展開する.
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研究成果の概要 |
光触媒と金属触媒を物理混合したブレンド触媒による脱水素的クロスカップリング反応(DCC反応)の開発に挑戦した.まず推定反応機構の検証のため,流通系反応装置で上流と下流に光触媒と金属触媒を空間的に分離した状態で配置してもメタノール改質反応が進行することを示した.次に、統計的活性評価の結果,光触媒の比表面積と励起電子・正孔の寿命の積が反応速度を決める指標となることを示した.表面吸着分子が光励起に関与するタイプのピリジンとのDCC反応も見出した.また,最も不活性なメタン・エタンの脱水素的ホモカップリング反応にも展開した.合金化によるブレンド触媒の高活性化にも成功した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
光触媒と金属助触媒の物理混合(ブレンド触媒)、そのどちらか一方では達成できない化学反応も達成できることが示され、独立な触媒設計を可能とした点で今後の展開に対し意義深い。光触媒の反応速度が「比表面積と励起電子正孔の寿命の積」という指標で説明できることも示し長く議論されてきた構造物性活性相関に一つの解を与えたことも学問的に有意義である。新展開として、吸着分子光励起型のピリジンとのDCC反応や、メタンやエタンのホモカップリングにも応用できることが示されたことにより、本概念の一般性が示された。また金属触媒を合金化することでブレンド触媒を高活性化できたことも今後の発展につながる成果である.
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