研究課題/領域番号 |
20K21118
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分28:ナノマイクロ科学およびその関連分野
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研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
八井 崇 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80505248)
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研究分担者 |
飯田 健二 北海道大学, 触媒科学研究所, 准教授 (20726567)
田村 宏之 東京大学, 先端科学技術研究センター, 特任准教授 (60390655)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 近接場光 / 非一様光場 / 光異性化 / 近赤外光誘起 / 近赤外光 |
研究開始時の研究の概要 |
光異性化は古くから知られている。分子の異性体が変化することで、特性が劇的に変化するため、このような性質を利用して、近年では、光薬理学などの応用が世界的に広く行われている。しかしながら、光異性化は可視光あるいは紫外光によってしか生じない。通常の伝搬する光を用いて生体内部にアクセスする場合、生体による光散乱により光強度が減少する。そこで、本研究では近接場光エネルギーアップコンバージョンによって近赤外光を紫外光に変換するナノフォトニック集光体を作製し、近赤外光での異性化反応を誘起する。本課題実現によって、患部深部で動作する薬の実現が可能となるため、社会的インパクトは測り知れない。
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研究成果の概要 |
本研究では近接場光の持つ高次高調波発生の性質を用いて、高効率に近赤外光を紫外光に変換するナノフォトニック集光体を作製し、近赤外光での異性化反応を誘起することを目的とした。 ナノフォトニック集光体の合成には、大小二つのQDを混合させ、光硬化樹脂に混ぜた。レーザを照射した作製したサンプルに発光強度の明瞭な増大がみられた。光異性化に適したナノフォトニック集光体を作製することに成功した。 また理論的検討して、金ナノ構造とアゾベンゼンを用いて、これらを近接させた系に対して、第一原理計算によるシミュレーションを行った。その結果、バンドギャップよりも低エネルギーの光で強い光吸収が発生することを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近接場光による高次高調波発生は、強い励起パワーでなくても発生する反面、発生効率が低いという問題点があった。これに対して、本研究で開発したナノフォトニック集光体は、発生した高次高調波を集光して、取り出すことが可能となるため、様々な分野に適用可能であると思われる。 得られた結果よりに、ナノ構造とアゾベンゼンの最適配置を行うことで、近赤外光による異性化反応の促進が期待される。低エネルギーである近赤外光によって、より対象物の深部に光を励起することが可能となり、さらなる応用が期待される。
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