研究課題/領域番号 |
20K21125
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分28:ナノマイクロ科学およびその関連分野
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研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
手老 龍吾 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40390679)
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研究分担者 |
長坂 将成 分子科学研究所, 光分子科学研究領域, 助教 (90455212)
望月 祐志 立教大学, 理学部, 教授 (00434209)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | 脂質二重膜 / X線吸収分光 / 放射光 / 第一原理計算 / X線吸収分光法 |
研究開始時の研究の概要 |
生体膜へのイオンの配位状態と相互作用強さを分子レベルで明らかにすることを目的とする。細胞膜に代表される生体膜は全て脂質二重膜を基本構造とし、細胞質や血液などイオンを含む水溶液中に存在している。水溶液中のイオンは脂質二重膜の構造や物性に強く影響するが、流動状態にある脂質二重膜について、脂質分子のどこにどれくらいの強さでイオンが配位するかはなど、明らかにされていない点が多い。水溶液中の脂質二重膜内でのイオンの配位部位と結合定数を実験的に決定し、第一原理計算に基づいて検証する。
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研究成果の概要 |
生体膜の基本構造である脂質二重膜は、両親媒性の脂質分子が水中で形成する自己組織化構造であり、その物性や膜内ドメイン形成は水溶液中のイオンによって強く影響される。流動状態にある水溶液中の脂質二重膜内におけるイオンの配位部位と結合定数を明らかにすることを目的とする。水中X線吸収分光(XAS)法によってリン二重膜内のリン脂質へのNa+イオンの配位を実験的に計測し、第一原理計算に基づいて検証を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
脂質二重膜に水中のイオンが影響を与えることは古くから知られていたが、多成分かつ流動状態において脂質分子へのイオンの配位や膜内での分子の構造・運動への影響についてはほとんど分かっていなかった。一般的には真空中に限定されるX線分光法を、生体分子に対して、かつ水中で機能を保った状態で測定した例はこれまでになく、得られた新たな知見ならびに新規測定手法開発としての意義がある。また、自己組織化材料への金属イオン配位の描像を実験的に決める方法論を開発することは、今後益々加速する大規模シミュレーションや機械学習に対して信頼できる実測パラメータを提供することにつながり、波及効果は大きい。
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