研究課題/領域番号 |
20K21126
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分28:ナノマイクロ科学およびその関連分野
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
坂口 浩司 京都大学, エネルギー理工学研究所, 教授 (30211931)
|
研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2020年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
|
キーワード | ナノ炭素 / 物質創成 / ナノ材料 |
研究開始時の研究の概要 |
新しい有機強誘電体のモデルとして、ベンゼン(六員環)を一次元に繋いだ炭化水素鎖であるグラフェンナノリボン(GNR)の片方のエッジに電子受容体や電子供与体を付与した電子的非対称型GNRを提案する。この構想の実現ために、我々が世界に先駆けて見出した“生物模倣触媒作用”(H.Sakaguchi, et al., Nature Chemistry, 9, 57 2017)によるGNR気相表面合成法において核心的役割を果たした炭素骨格をベースにして電子供与体・受容体を非対称に結合させた“非対称Z型前駆体”を設計し、大きな強誘電性を持つ非対称型GNRを合成する。
|
研究成果の概要 |
従来、非対称型GNRを有機合成するために設計した炭化水素型の前駆体では、高分子化は成功するものの、脱水素縮環時に、転位反応が起こるため、望む構造のGNRが生成できなかった。この問題を解決するために、新しい非対称Z型前駆体を設計し、非対称型GNRの新規有機合成法を開発した。前駆体に臭素とホウ素を末端に有し、中心部に塩素を持つ分子設計を行った。この前駆体を用いて、非対称型の前駆体高分子を合成した。次に、脱塩化水素反応を行うことにより、部分縮環した高分子を得た。更に残りの炭化水素部分の脱水素縮環反応を行うことにより、非対称型のGNRを得た。以上から目的とした、非対称型GNRの合成に成功した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
強誘電性を持つ新しいグラフェンナノリボン(GNR)の合成は、従来炭化水素に限定されていたGNRの化学構造を一新し、非対称性電子構造を生み出すこにより、強誘電性等の新たな物性を付与することが可能となる。本研究で得られた成果は、この新しい機能を創成する道を拓くことに貢献する。
|