研究課題/領域番号 |
20K21128
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分28:ナノマイクロ科学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
菅原 康弘 大阪大学, 工学研究科, 教授 (40206404)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2020年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | 近接場光学顕微鏡 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、力検出を用いた近接場光学顕微鏡に使用されている様々な構成要素(例えば、変位検出センサーや周波数変調回路など)の超低ノイズ化を実現し、この近接場光学顕微鏡のさらなる超高感度化・超高分解能化に挑戦する。 原子レベルでの物質と光との相互作用は、これまでほとんど研究されていない。本研究では、原子分解能を有する光学顕微鏡を開発し、その画像化機構を解明するという、これまで誰も成し得なかった究極の高い目標に挑戦する。ここでは、特に、様々な光の波長に対して、有機分子の分子軌道(σ軌道やπ軌道)がどのように画像化されるかに着目し、検討する。
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研究成果の概要 |
近接場光を高分解能に測定するために制限している因子を理論的・実験的に検討し、近接場光を力として高分解能に測定するための条件を求めた。また、近接場光を力として高感度・高分解能に測定するため、近接場光学顕微鏡の様々な構成要素の低ノイズ化を実現した。さらに、試料表面としては、原子レベルで清浄で平坦な表面が容易に得られる銀表面上に吸着させた2層のペンタセン分子を取り上げ、その近接場光の分布をナノメートルの空間分解能で観察することに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
原子レベルでの物質と光との相互作用に関する科学は、学術的研究課題の宝庫である。本研究の成功により、従来の常識を覆す新しい物理現象や機能を発見できる可能性が高い。このような発見は、新しい概念に基づく新材料や新デバイスの創製につながると期待される。その結果、光触媒に対しては、反応機構の解明と高効率化・高機能化が実現されると期待される。また太陽電池に対しては、色素増感効果の詳細が解明され、それを利用した高効率太陽電池の開発が期待される。さらに、このような革新的な研究手法の出現は、光物性研究の仕方を質的に変える可能性がある。
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