研究課題/領域番号 |
20K21129
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分28:ナノマイクロ科学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
佐藤 和久 大阪大学, 超高圧電子顕微鏡センター, 准教授 (70314424)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2020年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | 内殻電子励起 / 局在表面プラズモン / 格子変調 / 固相反応 / 電子状態 / 局在表面プラズモン共鳴 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、内殻電子励起による化学結合切断と局在表面プラズモン共鳴による格子変調との協奏により、"電子状態を直接操作"して、実現可能な無機固相反応の対象を拡大し、さらに反応領域選択制を活かして、新材料創製の礎となる新規マルチスケール固相反応プロセスを創出する。
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研究成果の概要 |
本研究では、内殻電子励起による化学結合切断と局在表面プラズモン共鳴(LSPR)による格子変調との協奏効果を利用して、新規マルチスケール固相反応プロセス創出を試みた。照射電子(75keV)のドース量が閾値以下の場合(約10の23乗e/m2程度)、波長532nmのレーザー照射によりLSPRによると考えられるCu、Auの格子面間隔の膨張(0.1-0.7%)が観察されたが、金属シリサイドは形成されなかった。一方、ドース量が閾値を超えると(約10の26乗e/m2程度)、電子照射のみで金属シリサイドが形成された。固相反応の進行にはアモルファスSiO2の解離によるSi供給が必要であることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
電子励起による原子移動を利用することにより、熱処理では進行し得ない固相反応が常温で進行する場合がある。本研究では、電子励起とともに局在表面プラズモン共鳴(LSPR)による格子変調を協奏的に組み合わせて原子移動を活性化し、常温で化合物を自在に形成する新規固相反応プロセスの創出を試みた。電子励起とLSPRとの協奏効果を直接検証するには至っていないが、電子励起による酸化物の解離が固相反応の起点と考えられることなど、反応プロセス確立に必要な要件等が明らかになりつつある。反応領域をナノからサブミリメートルまでマルチスケールに選択できる点が本提案手法のユニークな特徴であり、広範な分野への応用が期待される。
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