研究課題/領域番号 |
20K21130
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分28:ナノマイクロ科学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
藤田 克昌 大阪大学, 大学院工学研究科, 教授 (80362664)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
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キーワード | 光造形 / 2光子造形 / マイクロマシン / 生体適合性 / 2光子重合 / 深紫外光 / 非線形光学 / 生体適合材料 / ラマン分光 / ブリルアン分光 / 3次元造形 / 多光子励起 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、生体内で制御可能なマイクロマシンの開発のための基礎技術の開発を行う。開発するマイクロマシンは生体内や物質内部で利用することを想定し、その駆動や機能制御を、生体外部から可能とする。そのため、生体内における制御信号の受信機能を有し、その信号を効率よく駆動機構に伝えて運動制御が可能な新たな原理のマイクロ素子を設計、試作する。マイクロ素子の要素となる微小構造の開発やその評価を可能とする光学造形装置、分析装置を開発する。試作した微小構造を顕微鏡環境下で、その物性および力学特性の分析により微小構造の機能性を詳細に評価し、マイクロマシンの駆動と制御を可能とする新規マイクロ素子を開発する。
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研究成果の概要 |
本研究では、生体内で駆動可能なマイクロマシンの開発にするための微細構造造形技術、およびその機械的な駆動技術に関する研究を行った。微細構造造形法として、重合開始剤を用いない2光子光重合造形法を開発し、実際に生体適合性をもつ材料を用いて微細な立体構造が造形可能であることを確認した。重合による材料の特性変化の把握のため、分子構造の変化、力学特性の変化、生体適合性の変化を実験的に確認した。微細構造の駆動方法としては、音波により振動を付加し、構造の形状に依存した機械的特性を利用した駆動方法を考案した。異なる形状の微細構造は、異なる周波数依存性を示し、音波により微細構造の運動を制御できることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、光重合法により造形された微細構造を生体内で利用するための課題であった生体毒性の問題を、生体毒性を示す重合開始剤を用いない光造形法を開発することで、解決した。また、光重合前後における、生体材料の機械的、化学的特性の変化を定量的に計測できる造形分析装置を新たに開発することで、光重合法により造形される微細構造の特性を詳細に理解することが可能となった。ミクロ領域ではマクロ領域の材料の力学特性をそのまま適用できないため、その場での特性評価技術の開発は今後のマイクロマシン技術の発展に貢献できる成果である。
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