研究課題/領域番号 |
20K21139
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分29:応用物理物性およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
水上 雄太 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 助教 (80734095)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | メンブレン / カロリメータ / マイクロ単結晶 / ネマティック / トポロジー / ナノカロリメータ / ドメイン / 比熱測定 / ナノグラム |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の概要は、薄膜を基盤とした非常に高感度な比熱測定系を構築し、結晶サイズが数十から数百マイクロメートル程度のマイクロ単結晶試料を舞台とした精密比熱測定に挑戦することである。固体結晶試料においては、外的な要因または本質的な要因により結晶構造に空間不均一性が生ずることがある。結晶全体を対象とした通常のバルク測定から得られる情報はこれらの和となり、系の本質的な性質とは異なる。本研究では、空間均一性が高いと考えられるマイクロ単結晶を対象とした精密な比熱測定を行い、本研究で対象とする強相関物質における電子物性の理解の向上を目指す。
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研究成果の概要 |
高感度な熱量計を用いて、化学組成不均一性により比熱測定が困難であった鉄系超伝導体Fe(Se,S)や、Fe(Se,Te)を対象とした比熱測定を実施した。化学蒸気輸送法により均質な微小単結晶試料作の合成を行った。Fe(Se,Te)の比熱測定を行ったところ、電子比熱係数がTe量を増やすと単調に増大すること、及び超伝導状態の低エネルギー励起は非単調に変化することが分かった。この系におけるネマティック状態やトポロジカルな電子状態との関連性が期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、高感度熱量計の構築と、強相関電子系における新奇な電子状態の解明を目的としている。今回、比熱測定を行ったFe(Se,Te)においては、この系で発現する電子異方性(ネマティシティ)が、その超伝導状態と関係していることが示唆された。またこの系ではトポロジカルな性質も指摘されていることから、超伝導状態における新奇な素励起の可能性が期待される。
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