研究課題/領域番号 |
20K21142
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分29:応用物理物性およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
大田 晃生 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (10553620)
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研究分担者 |
牧原 克典 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (90553561)
田岡 紀之 名古屋大学, 工学研究科, 特任准教授 (50626009)
洗平 昌晃 名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 助教 (20537427)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
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キーワード | ゲルマニウム / 二次元結晶 / 化学構造 / 拡散・偏析 / 共晶反応 / 電子物性 / 表面偏析 / ゲルマネン / シリコン酸化膜 |
研究開始時の研究の概要 |
ゲルマニウム原子の二次元結晶であるゲルマネンは、グラフェンと同様のハニカム格子を取ることから非常に特殊な電子状態を有し、グラフェンと同等の高いキャリア移動度に加えて、強いスピン軌道相互作用を持つという特徴が理論的に明らかにされている。しかしながら、現在、その特殊な電子状態をデバイスに展開するには至っていない。そこで、本申請では、ゲルマネンをはじめとするゲルマニウム原子の二次元結晶の電子状態を引き出すと伴に化学的安定性を高めるために、シリコン酸化膜で覆われた状態で形成する方法を確立することを目指す。その後、ゲルマニウム二次元結晶のキャリア輸送特性を実験及び理論の両面から精査する。
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研究成果の概要 |
ゲルマネンなどGe原子の二次元結晶において、酸化等の化学反応による消失を抑制するために、Ge原子の偏析や析出を利用して、絶縁膜で覆われた状態で形成することに注力して研究を推進した。金属中のGeの固溶と偏析を利用した形成方法の理解を深めるために、これまで実績のあるAgだけでなく、酸化物が良好な絶縁膜となるAlを用いた。そこで、AgおよびAl/Geの熱処理による極薄 Ge 膜の膜厚制御や基板面方位の影響を評価した。また、Al/Ge(111)構造では、Al堆積時の基板加熱がAl薄膜の平坦性や結晶性の向上に与える影響を調べ、平坦な試料を支持基板となるSiO2/Si構造へ転写することに取り組んだ。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ゲルマニウムの二次元結晶であるゲルマネンは、高い電子移動度や強いスピン軌道相互作用などグラフェンにも劣らない魅力的な電子物性が理論予測されている。その優れた電子物性を引き出すにはSiO2などの絶縁膜で覆われた構造が望まれている。本研究では金属/Ge上のGe偏析によるGe極薄結晶や二次元結晶に関する知見を深め、金属にAlを用いた場合はAl酸化物とAl界面にGeが偏析することを明らにした。また、Al/GeをSiO2/Si構造への転写技術できることも明らかにし、デバイス応用に向けた有意義な知見が得られたと考えられる。
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