研究課題/領域番号 |
20K21146
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分29:応用物理物性およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
松山 智至 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (10423196)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2020年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | X線 / X線顕微鏡 / 形状可変ミラー / X線結像 / X線ミラー / X線波面計測 / アダプティブオプティクス |
研究開始時の研究の概要 |
X線顕微鏡は透過力が高いため,厚い試料の内部や水中・ガス中などの実環境下での観察に威力を発揮する.また,X線は波長が短いため原理的に高分解能を実現できる.さらに,その高いエネルギーを活かして分析も可能である.一方で,X線は短波長であるため,光学素子作製が難しい.また,分解能向上のためには開口数を大きく設計する必要があるが,開口数に比例して素子作製は難しくなる.本研究では,アダプティブ反射レンズを開発することで,この問題を解決する.本反射レンズは圧電素子が取り付けられており,形状を自由かつ高精度に変えられる.超高分解能X線顕微鏡を実現することを目指し,アダプティブ反射レンズを試作する.
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研究成果の概要 |
X線は高透過力・短波長であるため,これを用いて顕微鏡を構築できれば,物質科学・生物学などの分野でブレイクスルーが期待される.しかし,その性能を決定づけるX線レンズはまだまだ開発の余地が多く,世界各国で研究開発が行われている.本研究では,反射型のX線レンズに注目し,その高性能化のために,専用の高精度形状可変ミラーを設計・シミュレーション・試作・性能評価を実施した.試作した形状可変ミラーは,1nm以下という高い精度で形状を変形することができた(可視光干渉計に計測).実際にX線集光光学系に組み込んで,その性能を評価したところ,λ/4程度まで波面収差を修正することに成功した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では,X線顕微鏡の性能を大幅に向上可能な形状可変ミラーを開発した.本ミラーをX線顕微鏡の反射レンズに組み込むことで,空間分解能をさらに小さくすることができる.これまで見ることができなかった様々な試料・現象を高精細に観察することができるようになり,例えば,触媒や電池,半導体デバイスの内部観察に力を発揮できる.これらの観察を足掛かりに高性能な触媒・電池半導体デバイスなどを開発することが可能となる.
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