研究課題/領域番号 |
20K21147
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分29:応用物理物性およびその関連分野
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研究機関 | 埼玉工業大学 |
研究代表者 |
内田 正哉 埼玉工業大学, 付置研究所, 教授 (80462662)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
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キーワード | 電子 / 電子光学デバイス / 量子デバイス / 軌道角運動量 / 電子顕微鏡 |
研究開始時の研究の概要 |
いわゆるアトムチップは原子をシリコン基板上でガイド、トラップなどの操作をする原子光学デバイスである。本研究では原子ではなく電子をシリコン基板上でガイド、トラップなどの操作をするデバイスを微細加工技術をもちいて作製する。本デバイスでは電子はデザインされた局所的な電場や磁場によって制御され、究極的には電子1個単位での操作、電子1個のもつスピン角運動量や軌道角運動量などの測定ができるものと期待される。
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研究実績の概要 |
本研究提案では、原子ではなく電子をガイド、トラップする電子光学デバイス、すなわち、「電子チップ」の開発を目指している。「電子チップ」は本研究課題代表者によって発見された軌道角運動量をもつ電子ビーム(Nature, 2010)の研究にも大いに寄与するものと期待している。令和4年度の主な成果は、以下の通りである。
今回開発する「電子チップ」は金属細線を流れる電流によって生じる局所磁場あるいは電場を用いてチップ上電子の制御を行うタイプである。今年度は電場型および磁場型の場合の検討を行った。有限要素法を用いた電磁場シミュレーションの結果、近接した2本の金属細線に正負の静電場を印加すると、モノポールに類似し、細線の先端を中心に電気力線が渦状になることを確かめた。また、磁場型の場合も考案、シミュレーションを行った。これらの素子を組み合わせて、電子の局所操作が可能となる電場型導波路、電場型レンズの設計を行なった。「電子チップ」の試作は集束イオンビーム(FIB)等を用い基板上に行った。また、電場印加が可能な電子顕微鏡試料ホルダーの作製を行い、電子顕微鏡内での電場印加までの動作を確認した。今後、試作した「電子チップ」を実際に電子顕微鏡に搭載し、開発済の電子線用撮像カメラを用いて評価する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス流行による影響により全体的に遅延していたが、スピードアップし 進めている。
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今後の研究の推進方策 |
当初計画を変更し、令和5年度も引き続き実施する予定である。
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