研究課題/領域番号 |
20K21148
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分29:応用物理物性およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
倉橋 光紀 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 先端材料解析研究拠点, 主席研究員 (10354359)
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研究分担者 |
後藤 敦 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 先端材料解析研究拠点, グループリーダー (30354369)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 表面 / 水素 / 核磁気共鳴 / 偏極ビーム / 核スピン / NMR |
研究開始時の研究の概要 |
表面の水素原子の化学状態分析は表面科学における重要課題の一つである。NMRを表面水素分析に利用できればこの問題解決に大きく貢献できると予想されるが、1原子層相当の試料を通常のNMR実験により分析することは検出感度的に困難と考えられている。本研究では、核スピン偏極によりNMR信号を増強させる超偏極NMR法に着目し、核スピン偏極水素分子ビームの開発と、これを用いて表面に分子を吸着させ、プロトンNMR信号を検出するための装置を開発する。
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研究成果の概要 |
NMRは原子の局所状態分析に高いポテンシャルを持つため、これを表面の水素分析に利用できれば、表面化学過程の理解に大変有益な知見が得られると期待される。しかし、通常のNMR測定の感度は低く、単原子層以下の試料由来の信号検出は困難と考えられている。一方、対象原子核をスピン偏極させることによりNMR感度向上を図る手法(超偏極法)が近年盛んに研究されている。本研究では、核スピン偏極分子ビームを表面に照射し、吸着分子のプロトンNMR実験を行える装置の開発を目的とした。核スピン偏極分子ビームを超高真空下でNMR計測を行える装置をこれまでに製作し、バルク試料を用いて性能試験を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
表面の水素原子の位置や化学状態の計測は、表面物性や多くの物理化学現象の理解に不可欠である。NMRは局所状態分析能が高く、様々な材料研究に応用されているが、感度が不十分のために表面分析への応用は極めて限定的で報告例はXeなど特殊な系に限られている。表面に存在する水素原子のNMR測定を実現できれば今後の表面水素研究の重要な手段となり得るが、この問題に挑戦するための実験装置を今回の研究を通じて製作することができた。
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