研究課題/領域番号 |
20K21156
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分30:応用物理工学およびその関連分野
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
麻川 明俊 山口大学, 大学院創成科学研究科, 講師 (90757337)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | 超臨界流体 / 二酸化炭素 / その場観察 / 結晶成長 / 高分解能光学顕微鏡 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では超臨界流体中の結晶成長の一分子段差(ステップ)レベルでのその場観察に挑戦する。超臨界二酸化炭素と炭酸カルシウム結晶をモデル系として用い、超臨界流体の圧力・温度条件と結晶成長の関係について学理を解明する。具体的には、1)超臨界状態でその場観察可能なチャンバーの開発、2)溶解度の決定、3)臨界点近傍と厳しい超臨界条件下での結晶成長を液体状態からの結晶成長と比較を行う。
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研究成果の概要 |
本申請では超臨界流体二酸化炭素中をその場観察できるチャンバーを開発した。更に、共焦点顕微鏡を微分干渉化し、光学系を改良し、高分解能、超長作動、高輝度を実現した。これらの装置を用い、超臨界流体二酸化炭素中での炭酸カルシウムの溶解を分子段差レベルで観察することに成功した。その結果、超臨界流体二酸化炭素中ではミクロンスケールの密度揺らぎが存在すると分かった。一方、超臨界流体二酸化炭素中の炭酸カルシウムについてはステップの高さが局所的に減少したが、ステップ位置の変化はなかった。そこで、超臨界流体二酸化炭素に水酸化カルシウムを添加すると、炭酸カルシウムの分子段差は高くなり、結晶成長することが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本成果は工場、発電所から排出される二酸化炭素を直接処理可能にするカーボンニュートラルに向けた革新的な技術と期待される。液体二酸化炭素を高圧下の地殻中に保存、鉱物化させる大規模な国家プロジェクトが進んでおり、本成果は国家戦力に本質的に貢献できる。更に、本研究によって世界で初めて超臨界流体中の結晶表面を分子段差レベルでその場観察した点に意義がある。従来、高品質な結晶が得られなかった超臨界流体中での結晶育成プロセスに設計指針をもたらす可能性がある。パワーデバイスや5G基地局のアンテナ材料など産業に有用な結晶を超臨界流体(水)中の大量育成に貢献する。このように本成果は多岐の分野に貢献する。
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