研究課題/領域番号 |
20K21158
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分30:応用物理工学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
衞藤 雄二郎 京都大学, 工学研究科, 准教授 (50600003)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 光バンチング / パラメトリック下方変換 / ツインビーム / 2光子吸収 / ラマン散乱 / 光量子揺らぎ / 強度相関 / 空間分解 / ホモダイン検出 / フォトサーマル顕微鏡 / 位相差検出 |
研究開始時の研究の概要 |
光量子計測の分野では、物理学が許す究極的な精度で微弱光を識別しようとする試みがなされています。一方で生命科学分野では、分子からの微小な散乱光を検出し、分子を高精度に識別する手法の確立が望まれています。このような背景から、本研究では微弱光を測定するために用いられている“平衡型ホモダイン検出”と熱吸収性分子をイメージングするために用いられる“フォトサーマル顕微鏡”とを融合した“平衡型ホモダイン検波型フォトサーマル顕微鏡”を提案し、その実証実験を実施します。
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研究成果の概要 |
光は、ハイゼンベルグの不確定性原理に由来する量子力学的な揺らぎを持つ。コヒーレント状態のレーザー光は、その揺らぎがポアソン分布に従い、光計測ではショット雑音の起源となる。一方で、この光の持つ量子揺らぎも有用な使い方ができる可能性がある。本研究の目的は、量子光学の分野で発展してきた量子揺らぎの検出技術や制御技術を利用して、量子揺らぎの自由度を活かした新しい光計測を開発することである。本研究では、光強度揺らぎの計測への応用として、バンチングによる2光子励起蛍光の増強を実証した。また、強度揺らぎの新しい制御法として、相関のある強度揺らぎを異なる周波数モードへと転写する実験にも成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、パラメトリック下方変換を利用して、コヒーレントなレーザー光よりも大きな強度揺らぎやモード間に相関のある揺らぎを作り出した。そして光計測における揺らぎの新しい価値を探索した。ここで利用したパラメトリック下方変換過程は、パラメトリック発生器やスーパーコンティニューム光源のような波長可変光源において広く利用されている非線形光学過程である。そのため本研究はこれまで波長可変光源として用いられてきた光源に、揺らぎという機能を加え、光計測の更なる可能性を拓くことに繋がると期待される。
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