• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

不飽和層の自己閉塞のダイナミクス:コンパクト地層処分システムの創成に向けた展開

研究課題

研究課題/領域番号 20K21159
研究種目

挑戦的研究(萌芽)

配分区分基金
審査区分 中区分31:原子力工学、地球資源工学、エネルギー学およびその関連分野
研究機関東北大学

研究代表者

新堀 雄一  東北大学, 工学研究科, 教授 (90180562)

研究分担者 千田 太詩  東北大学, 工学研究科, 准教授 (30415880)
関 亜美  東北大学, 工学研究科, 助教 (80912328)
研究期間 (年度) 2020-07-30 – 2023-03-31
研究課題ステータス 完了 (2022年度)
配分額 *注記
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
キーワード放射性廃棄物 / 地層処分 / コンパクト化 / 不飽和層 / 乾燥過程 / 表面集積 / 析出反応 / 自己閉塞 / 地層処分システム / バックエンド
研究開始時の研究の概要

不飽和層とは地下水によって満たされていない領域を指す。本研究では、乾燥に伴う不飽和層での物質移動と析出による止水性の動的挙動を、X線CT撮影や透水試験により定量的に整理し、それらを基に地層処分場の全体面積をよりコンパクトにできることを示す。
地層処分ではその健全性の確認のために50年間を超えて坑道が維持され、通気状態になる。従って、坑道周囲では、坑道に向けた乾燥に伴い、ケイ酸を含む塩類が乾燥面近傍に集積・析出し、人工バリアへの地下水の浸入を抑える。このことは廃棄体(4万本)のより密な定置によって人工バリアが一時的に高温になっても、地下水による人工バリアの変質を防ぎ、より小さな処分場の実現に繋がる。

研究成果の概要

本研究では、乾燥に伴うセシウム、ナトリウムおよびケイ酸の乾燥面近傍の集積による間隙率および浸透性の低下をX線CTおよび透水試験により明らかにした。また、乾燥面近傍での溶質の移動には毛管力が大きく関与することを見かけの物質移動係数の評価により示した。さらに、ケイ酸の乾燥面近傍の集積挙動は、地層処分システムにおける核種移行を抑制するのみならず、処分場の人工バリアであるベントナイトの変質の原因となるカリウムイオンの供給を抑えることを示唆した。このことは、廃棄体をより小さい間隔や重ねて縦に配置して温度の上昇があっても、ベントナイトの変質は抑えられ、処分場全体の設置面積を半分以下にできることを意味する。

研究成果の学術的意義や社会的意義

地層処分ではその健全性の確認のために50年間を超えて坑道が維持され、通気状態になる。従って、坑道周囲では、坑道に向けた乾燥が生じ、ケイ酸等を含む塩類が乾燥面近傍に集積・析出し、人工バリアへの地下水の浸入を抑えることになる。このことは廃棄体(約4万本と見積もられる)をより密に定置し、人工バリアが一時的に高温になっても、地下水の蒸発はさらに促進され、人工バリアの変質を防ぐ。本研究では、乾燥に伴う物質集積に着眼し、乾燥面近傍における間隙率および透水性の低下を実験的に解明するとともに、これら知見により地層処分の必要な敷地面積を従来(44平方m/本)の半分以下にできることを示したものである。

報告書

(4件)
  • 2022 実績報告書   研究成果報告書 ( PDF )
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (20件)

すべて 2023 2022 2021 2020 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (17件) 備考 (2件)

  • [雑誌論文] Temperature Dependencies of Deposition Behavior of Supersaturated Silicic Acid in the Presence of Magnesium Ions2022

    • 著者名/発表者名
      Masahide Izumiura, Taiji Chida, Tsugumi Seki, Yuichi Niibori
    • 雑誌名

      IYNC2022 Conference Proceedings

      巻: Paper No.448 ページ: 1-4

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] セメント利用に起因した処分場周辺のケイ酸の再分配挙動による核種移行の抑制効果について2023

    • 著者名/発表者名
      小渕瑛周,千田太詩,関亜美,新堀雄一
    • 学会等名
      第8回次世代イニシアティブ廃炉技術カンファレンス(NDEC-8)
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 高アルカリ地下水の流動を伴う花崗岩亀裂内におけるCa-Si系水和物の析出挙動に関する基礎的研究2023

    • 著者名/発表者名
      永井翔,降矢一輝,関亜美,千田太詩,新堀雄一
    • 学会等名
      第8回次世代イニシアティブ廃炉技術カンファレンス(NDEC-8)
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 処分環境の温度を考慮したマグネシウムイオン共存下における過飽和ケイ酸の析出挙動の評価2023

    • 著者名/発表者名
      泉浦匡秀,千田太詩,関亜美,新堀雄一
    • 学会等名
      日本原子力学会 2023年春の年会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 処分場周辺の乾燥過程に起因した溶質析出に伴う間隙率および透水性変化2023

    • 著者名/発表者名
      本郷幹太,関亜美,千田太詩,新堀雄一
    • 学会等名
      日本原子力学会 2023年春の年会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 放射性廃棄物処分場閉鎖前の乾燥過程による周囲の透水性変化について2022

    • 著者名/発表者名
      本郷幹太,関亜美,千田太詩,新堀雄一
    • 学会等名
      日本原子力学会東北支部第46回研究交流会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 処分環境における過飽和ケイ酸の析出挙動に及ぼすpHおよび固相表面積の影響2022

    • 著者名/発表者名
      小渕瑛周,千田太詩,関亜美,新堀雄一
    • 学会等名
      日本原子力学会東北支部第46回研究交流会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 地下環境におけるMgイオン共存下でのケイ酸の再分配挙動とその核種移行の抑制効果2022

    • 著者名/発表者名
      泉浦匡秀,関亜美,千田太詩,新堀雄一
    • 学会等名
      第7回次世代イニシアティブ廃炉技術カンファレンス(NDEC-7)
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 乾燥に伴う多孔質体表面へのセシウムの集積に関する基礎研究-その廃棄物減容への可能性について2022

    • 著者名/発表者名
      本郷幹太,新堀雄一,鹿野悟史,関亜美,千田太詩
    • 学会等名
      第7回次世代イニシアティブ廃炉技術カンファレンス(NDEC-7)
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 流路形成を考慮した不飽和層におけるセシウムの遅延効果の評価2022

    • 著者名/発表者名
      河上大昂,関亜美,千田太詩,新堀雄一
    • 学会等名
      日本原子力学会 2022年春の年会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 塩水環境における過飽和ケイ酸の析出に及ぼすMgイオンおよびCaイオンの影響2022

    • 著者名/発表者名
      白沢暢,泉浦匡秀,千田太詩,関亜美,新堀雄一
    • 学会等名
      日本原子力学会 2022年春の年会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] マイクロフローセルを用いた高アルカリ塩水系地下水による花崗岩流路の透水性変化と簡便な評価モデルの提示2022

    • 著者名/発表者名
      降矢一輝,関亜美,千田太詩,新堀雄一
    • 学会等名
      日本原子力学会 2022年春の年会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 不飽和層における流路の形成とセシウムの移行挙動の評価2021

    • 著者名/発表者名
      河上大昂,新堀雄一,千田太詩,関亜美
    • 学会等名
      日本原子力学会 2021年秋の大会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] CaイオンおよびMgイオン共存下における過飽和ケイ酸の析出挙動の評価2021

    • 著者名/発表者名
      白沢暢,千田太詩,関亜美,新堀雄一
    • 学会等名
      日本原子力学会 2021年秋の大会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 処分場閉鎖前の乾燥過程を考慮した多孔質体における物質移動と透水性の変化に関するいくつかの実験的な試み2021

    • 著者名/発表者名
      林 光一,新堀雄一,千田太詩
    • 学会等名
      日本原子力学会 2021年春の年会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] セシウム及びバリウム共存条件におけるCa-Al-Si系水和物とユウロピウムの相互作用の評価2021

    • 著者名/発表者名
      天川仁誠,千田太詩,新堀雄一
    • 学会等名
      日本原子力学会 2021年春の年会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] 地下冠水環境を考慮した二次鉱物としてのMg-Si系水和物とCsとの相互作用2020

    • 著者名/発表者名
      尾朝涼太,千田太詩,新堀雄一
    • 学会等名
      日本原子力学会「バックエンド部会」第36 回バックエンド夏期セミナー
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] 地層処分システム周辺のアルカリフロントにおける流動を伴うコロイド状ケイ酸の挙動に関する基礎的研究2020

    • 著者名/発表者名
      佐々木龍,千田太詩,新堀雄一
    • 学会等名
      日本原子力学会 東北支部会 第44回研究交流会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [備考] 東北大学 研究者紹介 新堀雄一

    • URL

      https://www.r-info.tohoku.ac.jp/ja/3ad0ea8d6e73d1e30fa5cac09e5693c6.html

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [備考] 東北大学研究者紹介 新堀雄一

    • URL

      http://db.tohoku.ac.jp/whois/detail/a0f21740a16e2fd1eeab1f9ef0b882de.html

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2020-08-03   更新日: 2024-01-30  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi