研究課題/領域番号 |
20K21160
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分31:原子力工学、地球資源工学、エネルギー学およびその関連分野
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
斉藤 拓巳 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (90436543)
|
研究分担者 |
熊田 高之 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 物質科学研究センター, リーダー (00343939)
元川 竜平 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 物質科学研究センター, 研究主幹 (50414579)
|
研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2020年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
|
キーワード | 小角散乱 / 天然有機物 / 鉱物 / ナノ構造 / 天然有機物質 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、スピンコントラスト中性子小角散乱(SC-SANS)法を用いて、有機―無機複合コロイドのナノ構造を決定し、複合コロイドに対する放射線核種の吸着特性や複合コロイドの凝集・分散特性を有機物コロイドの部分構造から明らかにしようとするものである。令和2年度は、SC-SANS法の適用性の評価とナノ吸着構造を評価すための評価モデルを検討し、令和3年度は、異なる環境条件における複合系のSC-SANS測定を行い、アルミナ表面における腐植物質のナノ吸着構造の変化を評価すると共に、複合系における吸着実験との比較から、複合コロイドの特異的な吸着特性と構造の関係に迫る。
|
研究成果の概要 |
放射性核種の移行挙動はコロイドとしての移行性に支配される。これまでは、有機、無機それぞれのコロイドに対して核種の吸着が評価され、その線形和として、地下環境中における放射性核種の移行挙動が考えられてきた。しかし、実際の地下環境内では、有機及び無機の異種コロイドからなる複合コロイドが形成され、放射性核種の吸着量が、構成要素である有機・無機各コロイドに対する吸着量の線形和とはならず、劇的に増加したり、吸着しなくなる現象が報告されている。本研究では、有機―無機複合コロイドのナノ構造を決定し、特異的な吸着特性を理解するために、スピンコントラスト中性子小角散乱(SC-SANS)法の高度化を行った。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
金属イオンの環境動態は様々な工学システムの環境リスクアセスメントや汚染環境の評価で重要となる.特に,高レベル放射性廃棄物の地層処分の安全評価では,地下水環境中での対象核種の化学形態に基づき,その移行挙動を評価することが必須である.本研究は,そのようなコロイド影響のおいて,実環境中のコロイドで良く観察される複合コロイドの形成が核種の収着挙動を決定づける重要な要因と捉え,メゾスコピックスケールで不均質なコロイドの構造評価が可能なSC-SANS法の高度化を図った.本研究の成果は,超長期の地層処分安全評価の信頼性向上に寄与し,元素の環境動態に対する我々の理解向上に繋がるものである.
|