研究課題/領域番号 |
20K21161
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分31:原子力工学、地球資源工学、エネルギー学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
神野 郁夫 京都大学, 工学研究科, 教授 (50234167)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2020年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
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キーワード | X線 / 電流測定 / 低被ばく / コンピュータ断層撮影 / 電流敏感型前置増幅器 / 電荷敏感型前置増幅器 / X線コンピュータ断層撮影 / 低雑音 |
研究開始時の研究の概要 |
X線コンピュータ断層撮影(CT)は人体内部の病巣を観察する強力な診断法であるが,被ばく量が高いという問題がある.この原因は,X線を電流として測定するために雑音レベルが高い電流敏感型前置増幅器を用いることにある.そこでCTを低被ばく化するために,低雑音の電荷敏感型前置増幅器を開発する.このため,低雑音特性を有する電荷敏感型前置増幅器を用いる.新規電流敏感型前置増幅器が従来のものより低雑音であり,低被ばくCTが実施できることを実証する.
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研究成果の概要 |
X線コンピュータ断層撮影(CT)は,体内のがん組織を観察する有効な手段である.病院のCTでは,X線のエネルギー情報を利用せず,X線を電流として測定している.このために,電流敏感型前置増幅器を用いているが,これは検出器の雑音である暗電流にも敏感な雑音レベルが高い電子回路である.低雑音電流敏感型前置増幅器を開発できれば,低被ばくCTが実施できる.このため,電荷敏感型前置増幅器を応用した低雑音電流敏感型前置増幅器VIECを開発した.従来型電流敏感型前置増幅器IPA-6と比較し,VIECではIPA-6の1/300の線量率で同じ信号-雑音比のCT画像が得られることを示した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
X線コンピュータ断層撮影(CT)が従来の被ばく量の1/300で実施できる.日本の医療診断被ばく量は世界平均の6倍あり,その1/2がCTによってもたらされるが,本研究の成果により,被ばく量が一挙に低減できる.これは日本のみならず,世界的な医療被曝の低減につながる.また健康診断にCTを用いることも可能となり,がんの早期発見が一層,進展する.さらに,X線管出力の低減,X線管の小型化が可能となる.これにより発展途上国においてもCTが実施できるようになる.また医療のみならず,X線,ガンマ線,赤外線などを電流測定する応用において,けた違いに敏感な測定が可能となる.
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