研究課題/領域番号 |
20K21163
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分31:原子力工学、地球資源工学、エネルギー学およびその関連分野
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研究機関 | 公益財団法人未来工学研究所 (2021-2022) 九州大学 (2020) |
研究代表者 |
佐々木 久郎 公益財団法人未来工学研究所, 研究センター, 研究員 (60178639)
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研究分担者 |
NGUELE RONALD 九州大学, 工学研究院, 助教 (50821401)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 二酸化炭素固 / ケイ酸ナトリウム / 浅帯水層 / CO2地中貯留 / ゲル / ダイレクトダンピング / 二酸化炭素固定 / 浅層貯留 / 二酸化炭素分離 / 温暖化ガス / CO2 / 分離 |
研究開始時の研究の概要 |
安価なメタケイ酸ナトリウム水溶液に亜臨界圧力下でCO2を溶解させることで炭酸ナトリウム(Na2CO2)ゲルが容易に生成でき、減圧後も安定なゲルを維持できることから、深帯水層に匹敵する貯留ポテンシャルをもつ300-400mの浅帯水層に低流動性のゲルとしてCO2を固定するシステムを開発する。とくに、メタケイ酸ナトリウム溶液のCO2ガスの吸収・分離特性、温度と圧力によるゲル化時間や強度および安定性を調べ、燃焼ガス(N2-CO2混合ガス)からCO2を選択的に吸収・分離し、浅帯水層へ圧入するシステムにおける物質バランスを実験的に明らかにし、鉱物化の可能性を含めた一連のシステム開発に関する研究を行う。
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研究成果の概要 |
本研究では、メタケイ酸ナトリウム水溶液に亜臨界圧条件下でCO2ガスをバブリング溶解させることで生成させた炭酸ナトリウムゲルの質量バランス、ラマン分光分析結果およびとSEM-EDS 分光法による測定結果の分析と基盤的な化学反応データの取りまとめを行い、最適なゲル生成条件を探索した。その結果、水溶液濃度:1~7%および圧力: 7MPa以下での炭酸ナトリウムゲルの生成が実用的であることを明らかにした。さらに、CO2ガスの分離回収率および圧入システムの構成と実現性について、プラントや圧入設備などの仕様条件の検討を行い、炭酸ナトリウムゲルを浅層帯水層へダイレクトに圧入・固定するシステムの提案を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
安価なメタケイ酸ナトリウム水溶液に亜臨界圧条件下でCO2ガスを溶解させることで炭酸ナトリウムゲルが容易に生成され減圧後も安定であることから、深帯水層に匹敵する貯留ポテンシャルを持つ300-400mの浅帯水層にCO2を安全に固定できると着想した。また、炭酸ナトリウムゲル自体は自然界にも存在する化合物であり、深帯水層でのCO2貯留の場合には地下微生物が激減する苛酷な酸性環境となるのに比較して、ゲル層は良好な涵養環境(pH=9-10)であるため、微生物による鉱物固定化などが促進され、CO2の大気放出量の削減による地球温暖化の抑制に貢献できる。
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