研究課題/領域番号 |
20K21166
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分32:物理化学、機能物性化学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
高橋 聡 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (30283641)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
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キーワード | 高速蛍光相関分光法 / 全光子time-tag測定法 / 蛋白質ダイナミクス / ハイブリッド光検出器 / タンパク質ダイナミクス / 一分子蛍光観察 / 全光子time-tag計測 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、全光子time-tag測定を新しく開発し、タンパク質ダイナミクスを検出する蛍光計測の効率を劇的に向上させる。すでに申請者はこの装置の開発を開始しているが、デジタル型高速光子計数ボードを新しく導入し、不感時間が2ns以内の高い繰り返し速度にて、一光子ごとに観測時間を記録する全光子time-tag計測を可能とする装置開発を行う。この手法により、タンパク質機能にとって大切な2ns以降の時間領域における全てのダイナミクスのデータを高効率で取得可能とする。
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研究成果の概要 |
蛍光の強度ゆらぎを観測する蛍光相関分光法は、タンパク質の高速ダイナミクスを解明する有用な手法である。本研究では、ハイブリッド光検出器(HPD)とデジタル型計数ボードを組み合わせた全光子time-tag測定法を開発し、蛍光相関を高精度で検出することを目的とした。装置開発の結果得られた相関データには多数のスパイク状のノイズが見られた。このノイズは、HPDが示すアフターパルスに由来することを突き止め、相関データからノイズをキャンセルすることに成功した。以上の努力により、従来法では一晩以上の必要だったデータの積算時間が短縮され、一時間程度の測定で10ナノ秒以降の蛍光相関の測定が可能になった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
タンパク質の高速のダイナミクスを調べることで、タンパク質の運動を正確に理解し、生物がどのような方法で精密な酵素反応や特定の相手との相互作用を可能にしているのかを理解することができる。本研究成果は、そのための新しい効率的な計測方法を提案するものである。本測定方法を用いることで、従来は10時間程度の長時間のデータの積算が必要だった計測が、一時間程度のデータ積算で可能になることが示された。また、従来方法に比べてS/Nの良いデータを得ることが可能になった。この手法をタンパク質などの生体分子に適応することで、酵素反応などを正しく理解し応用することが可能になると予想される。
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