研究課題/領域番号 |
20K21169
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分32:物理化学、機能物性化学およびその関連分野
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
大島 康裕 東京工業大学, 理学院, 教授 (60213708)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2020年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | キラル選択 / 超高速分光 / イオンイメージング / 回転コヒーレンス / 強レーザー場科学 / 量子制御 / 量子波束 |
研究開始時の研究の概要 |
従来までとは全く異なる原理に基づいて、高感度、高時間分解能、かつ、絶対不斉配置の決定をも可能とする、気相分子キラリティの高精度識別法を開発する。異なるエナンチオマーは互いに鏡像関係の構造を有し、振動・回転エネルギー準位は同一で、この点では全く区別できない。しかし、3次元空間中の「方向性」では明確な差異が存在する。通常の気体中では配向がランダムで方向性の情報は失われてしまうが、分子がそろって回転する状態を作り出せれば、キラリティに関する情報を引き出すことができる。本研究では、超高速回転運動制御と空間配向を高い時間分解能で計測するクーロン爆発イメージングとを組み合わせてキラリティ識別を実現する。
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研究成果の概要 |
異なるエナンチオマーは互いに鏡像関係の構造を有し、振動・回転エネルギー準位は同一で、この点では全く区別できない。しかし、3次元空間中の「方向性」では明確な差異が存在する。通常の気体中では配向がランダムで方向性の情報は失われてしまうが、分子がそろって回転する状態を作り出せれば、キラリティについての情報を引き出すことができる。本研究では、2つのアングルでイオン画像を観測可能な実験配置を用いて、超高速回転運動制御と空間配向を高い時間分解能で計測するクーロン爆発イメージングとを組み合わせて、エナンチオ特異的な超高速回転ダイナミックスを世界に先駆けて検証した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によって、適切な運動状態制御を行うと、2つの異なるエナンチオマーがピコ秒程度の極短時間領域で異なる振る舞い示すことが実験的に明らかになった。本成果は、超高速エナンチオ選別への道を拓くものであり、キラリティの変換(ラセミ化)は量子論的にはどのように捉えられるか等の未解決のまま残されている根源的問題にアプローチする有力な手段を提供するものと期待される。
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