研究課題/領域番号 |
20K21170
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分32:物理化学、機能物性化学およびその関連分野
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
石田 尚行 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (00232306)
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研究分担者 |
畑中 信一 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 助教 (40334578)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 有機ラジカル / 希土類イオン / 磁性材料 / 分子磁性 / ラジカル / ランタノイド / ニトロキシド |
研究開始時の研究の概要 |
我々は希土類-有機ラジカルヘテロスピン分子で最強の磁気結合系を開発した。本研究ではそのような知見を高次元配位高分子の磁性体“RERF”(希土類-ラジカルフレームワーク)へ適用する。 RERFは全く斬新な概念である。なぜならラジカルの合成自体に高い有機合成の技能が要求され、また、一般的にはラジカルの環境耐性に問題が予想されていたからである。準備研究段階ではこの2点を克服している。 高性能磁石を高トルクモーターに応用すれば電力エネルギー問題解決に寄与する。室温稼働の磁気冷凍器に使えばフロンガスの無い社会を実現する。高性能磁石は社会的波及効果が高い。
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研究成果の概要 |
本研究課題は、単分子磁石研究で培った知見を、高次元配位高分子の磁性体“RERF”(希土類-ラジカルフレームワーク)へ適用するものである。ここで問題になるのは、ビラジカルの有する潜在的高反応性(不安定性)であり、錯形成反応を行うとビラジカルが非ラジカル分子へと分解してしまうことであった。今回の研究成果によれば、嵩高い置換気として、トリイソプロピルフェニル基、t-ブチル基、2つのトリフルオロメチル基を立体保護基として導入したものはビラジカル官能基を損なわずにオリゴマー状やポリマー状の希土類錯体を与えることがわかった。自動集積法による錯形成により、マクロサイクルと無限一次元鎖を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
室温においても三重項分子としてふるまうビスニトロキシドを架橋配位子として用いた磁石を開発した。有機骨格部分はさまざまな構造上のチューニングが可能であるから、従来の無機材料磁石には思いもよらない性能や利用価値が生まれる。単分子磁石はそのうちの一つであり、高密度記録材料としての利用が検討されている。今回、有機無機ハイブリッドの無限ポリマー状錯体として2例を実際に得ることができ、そのうちTbイオンのものが磁気ヒステリシスを描いた。将来的には、高性能磁石は高トルクモーターに使えばエネルギー問題を解決し、磁気冷凍機に使えば脱フロン脱冷媒の社会を構築するなどの社会的意義がある。
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