研究課題/領域番号 |
20K21188
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分33:有機化学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
布施 新一郎 名古屋大学, 創薬科学研究科, 教授 (00505844)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
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キーワード | ペプチド / 環状ペプチド / ラクタム / トリホスゲン / マイクロフロー / 環化反応 |
研究開始時の研究の概要 |
本申請研究ではペプチドの環化における新合成概念創造を目的とする。環状ペプチドは医薬品として重要性を増している。通常CとN両末端遊離の鎖状ペプチドを環化して合成されるが、従来法は穏やかな反応性の高価な縮合剤によりC末端のみを選択的に活性化する概念を基盤とする。本申請では、高活性で安価な反応剤により両末端を反応させて中間体を生成させ、転位反応で環状ペプチドを得る新手法の開発を目指す。
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研究成果の概要 |
環状ペプチドは医薬品としてますます重要性を増しているが、その一般的な合成法は、1)高価な縮合剤を多量に要する、2)反応完結に長時間を要する、3)煩雑な精製操作を必要とするといった問題点をもつ。これらの問題点は副反応を回避するために温和な反応性をもつ縮合剤を利用している点に起因する。本研究では、従来法とは異なり、高い反応性をもつトリホスゲンを用い、反応温度と反応時間を厳密に制御可能なマイクロフロー合成法を駆使することで、競合する副反応を抑止しつつ、廃棄物の排出を抑え、短時間でラクタムおよび環状ペプチドを合成できる手法の開発に成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
温和な反応性の反応剤を用いて長時間反応させる従来手法と全く逆の、高い反応性の反応剤を用いて短時間で反応させる手法を確立し、有用性を実証できた点は学術的に意義深い。また、環状ペプチドは医薬品としてますます重要性を増しており、実際に承認されたペプチド医薬品の3分の2は環状ペプチドであること、開発した手法は反応時間が短いのみならず、安価な反応剤を用い、廃棄物の量も少なく、また除きやすいこと、さらにはスケールアップ合成を再現性よく、容易に行えるフロープロセスであることから今後の産業応用への展開も期待できる。
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