研究課題/領域番号 |
20K21190
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分33:有機化学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
忍久保 洋 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (50281100)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2020年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
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キーワード | ノルコロール / 反芳香族性 / 重合 / 水素結合 / 超分子 / 有機半導体 / 電荷輸送特性 / 超分子重合 |
研究開始時の研究の概要 |
最近、反芳香族π電子系化合物であるノルコロールが固体中で極めて近接した距離で積層し、安定化することを見いだした。本研究では、反芳香族化合物を高分子化することで積層化し格段の安定化を実現するともに、反芳香族高分子の機能開拓を行う。反芳香族化合物を主鎖や側鎖にもつ高分子はこれまでに前例がなく、未踏の物質群である。単に前例がないだけではなく、反芳香族化合物を高分子化することにより近接して積層化させ、安定化しようという挑戦は学術的に独創性が高い。反芳香族化合物を安定化できれば、有機半導体や有機二次電池への利用といった応用展開にも道を拓くことができる。
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研究成果の概要 |
反芳香族ポルフィリンであるノルコロールの側鎖に水素結合部位を導入し、超分子重合させることによって高分子を構築することに取り組んだ。水素結合部位としてアミド基を有するノルコロールを設計・合成した。検討の結果、このノルコロール溶液を冷却することにより、超分子重合が進行することを見いだした。得られた重合体の電荷輸送特性を芳香族性のポルフィリンからなる類似の超分子重合体と比較したところ、ルコロールからなる超分子ポリマーがポルフィリンからなる超分子ポリマーに比べ4倍程度高い電荷輸送特性を示すことが明らかになった。反芳香族分子の近接積層が優れた電子物性につながる可能性を示唆するものである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、反芳香族ポルフィリンであるノルコロールの側鎖に水素結合部位を導入することにより超分子ポリマーを形成できることを明らかにした。反芳香族分子を構成単位とする超分子ポリマーは芳香族分子を構成単位とする超分子ポリマーよりも優れた電荷輸送特性を示すことが分かった。反芳香族分子の積層が優れた電子機能の発現につながる可能性を示す結果である。
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