研究課題/領域番号 |
20K21191
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分33:有機化学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
北村 雅人 名古屋大学, 創薬科学研究科, 教授 (50169885)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 不斉増幅現象 / 銅錯体 / Friedel-Crafts反応 / 相分離 / 不斉触媒反応 / キラル二座配位子 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者らの新規光学活性ビスアミジン配位子の銅2価錯体は,Friedel-Crafts反応において,従来にない高い触媒性能を示す.反応機構解明の過程で,相分離を伴う反応条件で強力な不斉増幅現象が発現することを見出した.これまでの関連研究では、いずれもヘテロキラル2量体とホモキラル2量体の安定性の相違によって説明されるNoyori機構、あるいはヘテロキラル1:2錯体とホモキラル1:2錯体の安定性の相違によって説明されるKagan機構によって理解されてきた.本反応系では,触媒濃度が濃いとNoyori機構が働き,薄いと全く新しい機構が働くことが明らかになってきた.本研究ではこの機構の全貌を解明する.
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研究成果の概要 |
我々が開発した新規光学活性ビスアミジン配位子の銅2価錯体は、Friedel-Crafts反応において従来にない高い触媒性能を示す。反応機構解明の過程で、相分離を伴う反応条件で強力な不斉増幅現象が発現することを見出した。これまでの関連研究では、ヘテロキラル2量体とホモキラル2量体の安定性の相違によって説明されるNoyori機構、あるいはヘテロキラル1:2錯体とホモキラル1:2錯体の安定性の相違によって説明されるKagan機構によって理解されてきた。本研究では,本反応での不斉増幅現象発現の根源を追跡した結果、触媒濃度が濃いとNoyori機構が働き,薄いと全く新しい機構が働くことを明らかとした.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
不斉増幅現象は、偏りがわずかなエナンチオマー混合物を用いて、より光学純度の高いキラル化合物を合成することができる。そのため、不斉合成において魅力的な手法となりうる。しかし、その発現条件は特異であるため、いかにしてこの現象が発現するかを明確にすることは反応設計に重要な知見を与える。さらに、自然界のホモキラリティーの起源を知る上でも重要である。本研究成果は、1)条件によってその発現メカニズムが異なること、2)一つは従来の解釈とは異なるメカニズムが関与していること、を実験的に証明したものであり、学術的、社会的いずれの観点からも意義がある。
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