研究課題/領域番号 |
20K21193
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分33:有機化学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
丸岡 啓二 京都大学, 薬学研究科, 研究員(特任教授) (20135304)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | ラジカル反応 / 有機ラジカル触媒 / N-オキシラジカル / N-ヒドロキシベンズイミダゾール / ベンジル位 / アルデヒド / アシルラジカル / フッ化アシル / ラジカル触媒 / N-ヒドロキシフタルイミド / プリビリッジド構造 / 炭素ラジカル |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、古くから利用されているにも拘らず、未だその構造多様性に乏しいN-オキシラジカル触媒において、全く新しい触媒分子構造としてN-ヒドロキシベンズイミダゾール触媒を提案する。これを基本構造とする新規な有機ラジカル触媒を合成し、その機能評価を行うことで、既存の触媒を凌駕する高性能N-オキシラジカル触媒の創製を目指す。さらに、同一分子内に官能基を導入したN-オキシラジカル触媒を開発することで、これまで不活性であった基質にも適用可能な水素引き抜き触媒反応系の構築に取り組む。これらの研究を通して、ラジカル反応化学において未だ発展途上である触媒開発研究に新たな潮流をもたらしたい。
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研究成果の概要 |
本研究では、ラジカル化学分野で汎用されているN-オキシラジカルの触媒活性種としての新たな側面を引き出すべく、独自の設計指針に基づくデザイン型有機ラジカル分子の創製及びそれらの機能開拓を追求した。すなわち、ラジカル活性部位とは別の官能基を同一分子内に有するN-オキシラジカル種を合成し、これが協同的に作用する精密ラジカル触媒系の構築を目指した。そこで各種ルイス酸との複合体を調製し、ベンジル化合物など特定の炭素-水素結合からの水素引き抜きにおける遷移状態を安定化し、従来のN-オキシラジカル種では見られないような反応性や選択性の差異について検討したところ、ある程度の優位性が認められた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在水素引き抜き触媒として利用されているほとんど全てのN-オキシラジカル触媒は、窒素上の置換基としてアシル基を有している。このため、アシル基の存在が触媒活性部位近傍の構造修飾を困難にしている。今回、より挑戦的な課題として、触媒活性部位とは別の官能基をNHBIに導入し、これを駆使して遷移状態の安定化を図る戦略を着想した。この戦略によって基質適用範囲が拡大し、その有効性が実証されれば、ラジカル触媒の構造修飾における選択肢は爆発的に増加し、「触媒設計に基づく新反応開発」というラジカル反応化学の新たな潮流を拓き得ると期待され、また、関連研究の諸分野の発展にも大きな波及効果をもたらすものと思われる。
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