研究課題/領域番号 |
20K21196
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分33:有機化学およびその関連分野
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
灰野 岳晴 広島大学, 先進理工系科学研究科(理), 教授 (80253053)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2020年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | 超分子化学 / 分子認識 / 分子デバイス / 超分子カプセル / 分子カプセル / アロステリック / 自己集合カプセル / 超分子ポリマー / アクチュエータ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題では,ゲスト分子の結合により伸縮運動を示す人工カプセル分子の開発とそれを利用したマクロな運動機能をもつ分子システムの開発を目的とする。分子カプセルを連続的に配置したポリマーを合成し,分子カプセルの伸縮運動をポリマー構造により増幅することで,サブナノメートルの構造変化をマクロな運動へと増幅するアクチュエータを開発する。
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研究成果の概要 |
サブナノスケールで起こる極めて微小な分子の構造変化を効率よくマクロな運動に変換するアクチュエータを開発するためには,分子運動に大きな異方性を実現できる分子デバイスの開発が求められる。今回,ゲスト分子や金属イオンの添加により大きな異方的構造変化を生み出すことのできる分子カプセルを開発した。レゾルシンアレーンキャビタンド二分子を柔軟なアルキル基で連結した分子カプセルは,ゲスト分子や金属イオンの配位により45%縮んだ。また,ゲスト分子や金属イオンを取り除くと,もとの構造を再生することができたため,外部刺激により伸縮運動を制御できる分子デバイスを開発することに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
光や電気信号を伸縮や回転などの物理運動に変換するアクチュエータは,ロボット開発に不可欠な基幹部品である。最近では,安全性やコストの観点からモーターなどの金属部品を使用しない柔軟で軽量な有機分子を利用したアクチュエータの開発が望まれている。我々は,微小な外部刺激で駆動できる分子デバイスを利用することで,アクチュエータを小型化できると考えた。本研究課題では,外部より与えられる信号をマクロな運動に変換するための分子デバイスを開発した。本研究成果は,分子を構成単位とするアクチュエータの開発の基礎を成す成果であり,アクチュエータの微小化や省エネルギー化に向け,大きく貢献できるため,社会的意義は大きい。
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