研究課題/領域番号 |
20K21201
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分34:無機・錯体化学、分析化学およびその関連分野
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
長谷川 靖哉 北海道大学, 工学研究院, 教授 (80324797)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | キラル / 希土類 / 配位空間 / 情報科学 / 機械学習 / 円偏光発光 / 錯体 / 計算 |
研究開始時の研究の概要 |
金属イオンにキラル型有機配位子と取り付けたキラル型金属錯体は左円偏光と右円偏光の吸収および発光に振幅差が生じる偏光機能を示す。キラル型希土類錯体は円偏光発光における大きな異方性因子(遷移金属錯体の100倍)を与えることが知られている。本研究では情報科学と機械学習を基盤としたキラル型希土類錯体の新しい分析法と配位空間研究を行う。具体的には、仮想的なキラル型希土類錯体の構造情報とエネルギー情報を数学演算によって見積もり、機械学習によってキラル構造分類を行う。得られた数千種類の錯体情報を統計処理する。この統計処理および機械的学習により、g値が大きくなる希土類錯体を予測する。
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研究成果の概要 |
円偏光発光は次世代の三次元ディスプレイ等への応用が期待されている重要な研究対象である。本研究では、キラル希土類錯体の合成実験と量化学統計によって、キラル希土類錯体の円偏光発光の異方性因子を大きくする電子パラメータ(LMCT遷移強度の関与)とそれに関連する構造パラメータ(LMCTの角度)を初めて明らかにすることができた。これは希土類錯体の量子化学計算によって初めてLMCT評価が可能になったことに起因する。この研究成果により、キラル希土類錯体の円偏光発光機能を増大させるためにはキラル配位子のLMCT遷移を積極的に制御することが重要性であることを初めて明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によって高い円偏光発光効率を示すキラル希土類錯体の電子パラメータ(LMCT電子状態)とそれに関連する構造パラメータ(LMCT遷移の角度)の因子を初めて明らかにした。円偏光発光機能の増大にはキラル希土類錯体のLMCT遷移を積極的に制御することが重要であり、LMCT構造を制御するための配位子のπ共役構造を積極的に変化させる研究の可能性を切り拓いた。配位子のπ共役構造に関する情報をもとにした円偏光発光機能の情報科学による予測についても今後検討可能となると考えられる。
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