研究課題/領域番号 |
20K21204
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分34:無機・錯体化学、分析化学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
南 豪 東京大学, 生産技術研究所, 准教授 (70731834)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | 高分子トランジスタ / 化学センサ / 分子認識 / パーキンソン病治療薬 / 有機トランジスタ / パーキンソン病 / 薬剤分析 / 光学マイクロアレイチップ / パターン認識 / ポリチオフェン / ククルビット[n]ウリル / 薬剤検出 / 分子認識化学 / センサアレイ / 電気二重層 |
研究開始時の研究の概要 |
パーキンソン病治療薬のモニタリングを可能にする化学センサの開発を目指す。まず,パーキンソン病治療薬を検出し得るククルビット[n]ウリル(n=6,7,8)修飾型ポリチオフェン誘導体(PT)を各種合成し,その分子認識能調査として,側鎖のアルキル鎖長及びCB[n]の環サイズが検出能に与える影響を検討する。得られた知見を基に,適宜分子設計を再検討し,血中濃度域で当該薬を捕捉可能なPT誘導体を選定する。次に,選定したPTを用いて蛍光センサアレイ及び有機トランジスタを作製し,分子認識現象が光学及び電気応答に与える影響を包括的に評価する。以上より,迅速・簡便・高感度な薬物センサ構築において多角的な知見を得る。
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研究成果の概要 |
トロパンアルカロイドの一種であるパーキンソン病治療薬は、神経系に副作用 (幻覚や記憶障害など) をもたらすため、それらの定量的検出は意義深い。選定した治療薬の中でも、ラセミ体の市販薬であるアトロピンは、(S)-ヒヨスチアミンのみが薬効を示す。創薬分野における光学純度 (ee) の厳格な制約を鑑みて、本研究では、分子鋳型高分子を人工分子認識場として用いた高分子トランジスタ型センサを開発し、市販薬剤の高選択的検出とee決定に挑戦した。本研究構想の実現によって、分子認識能を有する高分子トランジスタは、簡便かつ正確に市販試薬を検出する薬物分析用センサとしての可能性を秘めていることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、パーキンソン病治療薬を高選択的に検出するために、分子鋳型高分子を人工分子認識場として用いた高分子トランジスタ型センサを開発し、当該薬剤の光学純度を決定することに成功した。可溶性高分子半導体を用いた印刷プロセスによって、簡便かつ迅速に電子デバイスが作製できるようになれば、どこでも・誰でも・簡便に測れるセンサが実現され、薬物分析に留まらない化学センシングが期待できる。少子高齢化に伴い加速する健康意識の高まりから生体情報の可視化が益々求められる社会において、高分子材料をプラットフォームとした化学センサは、新規デバイス開発のパイオニアとして貢献すると考えている。
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