研究課題/領域番号 |
20K21205
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分34:無機・錯体化学、分析化学およびその関連分野
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
村橋 哲郎 東京工業大学, 物質理工学院, 教授 (40314380)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | パラジウム / ラジカル種 / パラジウム錯体 / ラジカル |
研究開始時の研究の概要 |
パラジウムは、触媒としてもっとも広く活用されている遷移金属元素のひとつである。長年に渡る研究の結果、パラジウム単核錯体は、0価、+II価の非ラジカル型酸化状態を安定にとる一方で、+I価のラジカル型酸化状態をとりにくいとされてきた。本研究では、単核Pd(+I)ラジカル種を安定に生成するための新たな配位子設計指針を見出し、その化学を開拓する。
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研究成果の概要 |
単核Pd(+I)ラジカル種を安定に生成することを目指して、種々のホスフィン配位子を用いて生成傾向について系統的に調査した。その結果、単核Pd(+I)ラジカル種を安定に生成するための配位子設計指針について、重要な知見を得た。本結果は、今後の単核Pd(+I)ラジカル種化学の発展に向けて端緒となる成果になる。さらに、有機二核Pd(+II)錯体からのPd(+II)種の脱離反応の過程で、形式的に単核Pd(+I)ラジカル種が有機安定ラジカルにより捕捉される反応が進行することを見出し、その立体化学を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
パラジウムは、触媒としてもっとも広く活用されている遷移金属元素のひとつである。長年に渡る膨大な研究の結果、パラジウム錯体がとり得る安定な酸化状態には大きな制限があると信じられてきた。すなわち、パラジウム単核錯体は、0価及び+II価の非ラジカル型酸化状態を安定にとる一方で、+I価のラジカル型酸化状態をとりにくいと考えるのが通説である。本研究により、溶液中に可溶なパラジウム単核錯体が+I価のラジカル型酸化状態を安定にとり得ることを示す端緒となる成果が得られた。
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