研究課題/領域番号 |
20K21206
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分34:無機・錯体化学、分析化学およびその関連分野
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
秋根 茂久 金沢大学, ナノ生命科学研究所, 教授 (30323265)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 分子カプセル / かご型分子 / 動的構造変換 / 包接化合物 / 応答性分子 / 分子認識 / 環状化合物 / 動的共有結合 / コバルト錯体 / 金属錯体ホスト / カプセル分子 / ゲスト取り込み制御 / 分子長伸縮 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、金属配位により収縮する構造を活用して、ゲストの取り込みと放出を制御できるような新規なかご型分子を開発する。かご型ホストの内部空間は、ゲストを取り込んで保存する場として有用であるが、開閉機構がない限り、取り込んだゲストを完全に保持することができない。一方、我々は日常において、手のサイズよりも大きな物体でも、両手で挟み込んで保持することができる。これにヒントを得て、二つのbowl型ユニットを多座配位子型リンカーにより連結した構造のホスト分子を設計した。このタイプのホストを用い、多座配位子型リンカー部での遷移金属との錯形成により分子長を縮小させて、取り込んだゲストを保持することを目指す。
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研究成果の概要 |
カプセル状の分子は、内部空間への物質の取り込みや、外部から隔離された特異な空間での物性・反応などの観点から近年注目されている。しかし、これまでのほとんどのカプセル型分子では、物質の取り込みや放出の速度を自在にコントロールするのは困難であった。本研究では、お椀型構造を2つ連結したカプセル状分子の隙間の大きさを金属配位によって変化させる機構の開発を目指した。その結果、カリックス[4]アレーンのlower rimにアミド部位を導入したビスカリックス[4]アレーン型ホストにおいて、アルカリ金属イオンに応答した環状構造とカプセル構造の間の構造変換を実現でき、隙間のサイズのコントロールに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
カプセル状の分子は、内部空間への物質の取り込みや、外部から隔離された特異な空間での物性・反応などの観点から近年注目されている。特に、このような閉じた構造は、必要になるまで物質を閉じ込めておくための「分子の容器」としての応用が注目されているが、「容器」として活用するためには、その物質が必要になるまでは内部に確実に閉じ込めておき、必要になった際に速やかに物質を放出できるような開閉機構の確立が求められていた。本研究で達成できたカプセルの隙間の大きさの制御の手法は、このような開閉可能な「分子の容器」の開発における重要な知見となる。
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